新春気分がひと段落したところで、そろそろ確定申告が気になりはじめる人も多いだろう。個人事業者や経営者の中には「またか」と気分が重くなる人もいるに違いない。一方、普段は確定申告とまったく縁のない会社員でも、医療費の控除を受ける場合や「土地の売買などで、給与以外の収入を得た」などの理由で申告しなければならないことがある。そこで今回の特集では、はじめてでも簡単に使える確定申告書作成ソフト4本をピックアップしてご紹介しよう。
ところで、そもそも確定申告って?
今回ご紹介する4本のソフトの基本的な目的は同じ。つまり「所得を申告するための書類を作成する」こと(それによって納税額を決定する)だ。提出する書類の形は決まっているから、この点はソフトによる機能の違いはない。ただし、申告の方法によって白色申告と青色申告の2種類があり(ソフト名からすぐわかる)、この違いだけは絶対に押さえておく必要がある。
極めて簡単にいうと、確定申告の基本となるのが「白色申告」。個人で事業を行っている人や会社を経営している人向けのちょっとハイレベルな方法が「青色申告」といったところだ。青色申告を行っている人は税制面での優遇措置などを受けられるが、その代わり白色申告よりも詳しい書類を提出しなければならない(そのほか、青色申告を行うには事前の申請や開業届けが必要。手続きが増えるため、独立したばかりの事業主の場合は「当面は白色申告で」という人もいるだろう)。
「白色申告」はいわばデフォルトで、単に「確定申告」と書かれていれば、「白色申告」を指すのが一般的。会社員あるいは「普段は収入がないが、土地売買などで臨時に所得があった人」などはこちらだ。事業は行っていないから、確定申告の書類のみでOK。しかし、事業を営んでいる人なら、消費税の申告などが別に必要となる。
白色申告も青色申告も、いわゆる「確定申告」で提出する書類は同じ。いってしまえば、添付する明細書の種類や書き方が違うようなもので、この部分がソフトの機能の差となる。今回取り上げるソフトの場合は、青色申告用ソフトに白色申告用の機能も含まれる。青色申告用ソフトを買った人が別途、確定申告用ソフトを買う必要はない──こうしたポイントを押さえた上で、各ソフトの特徴を見ていこう。
(福住 護)
※ソフトを使用する際は、あらかじめソフトのドキュメントをよく読んでからお使いください。