最初に紹介するのは、Vectorでも常にダウンロードランキング上位の常連である“定番中の定番”「Lhaplus」だ。「ラプラス」と読む。
外部DLLが不要で、22形式の展開と13形式の圧縮に対応する。LZH/ZIP/CAB/TAR(.GZ/.BZ)といった一般的な形式のほか、ARC/ARJ/RARなどの展開も可能。展開時の形式判定は拡張子ではなく、内部構造を参照して自動的に行われる。MIMEやBase64ではバイナリとテキストの相互変換に対応。LZH/ZIPの自己展開書庫(EXE)を作成することも可能だ。
大きな特徴は、初心者でも簡単に操作できるように設計されていること。インストール時の設定をそのままにしていれば、対応するファイルのダブルクリックで展開処理がはじまる。圧縮は、圧縮したいファイル/フォルダのコンテキスト(右クリック)メニューから行える。ファイル/フォルダを右ドラッグすると「ここに解凍」「ここに圧縮」のメニュー項目が表示され、好みの場所をターゲットにして、圧縮・展開できるようになっている。
さらに、【Ctrl】キーを押しながら上記のような圧縮・展開の操作を行うと「テンポラリモード」での処理となる。テンポラリモードでは、一時的に圧縮・展開時の設定を変更することが可能で、「ファイルの出力先を一時的に変えたい」といった場合などに便利だ。
ここまでが「Lhaplus」の基本機能。さらなる細かい設定は、シェルメニューから「詳細設定」ボタンを押すことで行える。詳細設定では、
- 展開時の処理で上書き確認を省略する
- アーカイブファイルに含まれるサブアーカイブもまとめて展開する
- 展開後にアーカイブファイルを削除する
といったオプションが用意されているほか、圧縮でZIPやCABの圧縮率を指定したり、展開用パスワードを固定値にしたりすることもできる。
そのほかにも「アーカイブ変換」「文字列変換」「ZIPパスワード探索」などの便利な機能を多数、搭載する。「アーカイブ変換」は、ファイルの内容は変えずに圧縮形式だけを変える機能。「文字列変換」では、Shift JIS/JIS/EUC/Unicodeの相互変換を行える。「ZIPパスワード探索」はその名の通り、ZIP形式のアーカイブファイルにかけられた暗号のパスワードを調べるための機能だ。
初期設定でも十分便利に使えるが、設定をカスタマイズすればするほど味が出てきて“自分好みのソフト”に変えられるのも「Lhaplus」の特徴。まさに“初心者から上級者まで万人に対応”した圧縮・展開ソフトだ。