読みたい本は山のようにあるが、それを読むための時間がなかなか取れないという人も多いだろう。そんな人にお勧めなのが「速読術習得『速読くん』」だ。速読トレーニングそのものは非常に有名なので、聞いたことのある人は多いだろう。日本人の文字読み取り能力は、平均で分速500文字前後といわれる。それを、最低でも分速3,000文字(6倍)以上伸ばすのが“速読トレーニング”だ。努力次第では、分速10,000字以上も夢ではないという。実際に入門書などを読んで試してみた人も少なくないはず。
だが、トレーニングそのものは非常に地味で、本だけを頼りに続けるのはなかなか難しい。何より、視点の移動や視野の拡大といったトレーニングを、“動きのない”印刷物相手に行うのは退屈で、効果が出る前に飽きてしまう。「速読術習得『速読くん』」では、ソフトがトレーニング方法に合わせて適切な表示を行うので、表示されるものを「ただ見ているだけ」でもそれなりの効果が得られる。
画面は、上部にコントロールボタンがまとめられている。すべてのコントロールが視認できるため、直感的に操作しやすい。文字が表示される部分のフォントや背景の色遣いも眼に優しく、実際に本を読むのと同じ感覚で文字を読むことができる。文章表示は縦書き/横書き両対応。縦横はボタンひとつで簡単に切り替え可能。ページ送り/戻し、1行ごとの送り/戻し操作も行える。
トレーニングは、実際にテキストを用いて行うものと、テキストを使わないものに分けられる。テキストの速読練習を行う場合、使用するテキストはユーザが任意に選択できる。クリップボードにある文章を貼り付けることもできるので、Webページなどの文章を訓練に利用することも簡単に行える。
テキストを利用して行える訓練は「文章」「瞬間認識」「ブロック読み」の三つ。「文章」は読み込んだテキストが一定速度で自動送りされるので、それを読み取るもの。画面に表示する文字数と自動送りの速度(1分あたり約25文字〜10万文字)は、上部のスライドバーで調整できる。文字表示の際に文章を囲う赤枠(リードフレーム)を1行から5行の範囲で表示することも可能だ。
「瞬間認識」は、画面に瞬間表示される文章の一部を“文字を読まず”に見たままで認識する訓練。「ブロック読み」は、黒く表示されたブロック単位の文字をいっぺんに読みとって理解する上級者向けのトレーニングだ。
「視点移動」と「視幅」の訓練はテキストなしで行える。「視点移動」は、縦/横/斜めの各方向に視点を往復させて、視点移動速度を向上させるもの。「視幅」は、視点を動かさずに視野角を広げるトレーニング、画面四隅に表示される記号や数字を読み取るものとなっている。