週刊ソフトニュース ■今週の注目ソフト!! テキストエディタQX おかる 恋のねすとっち 真 燕派烈伝 WebShot MORE NEWCOMERS VERSION UP BACK NUMBER |
|
|||||||||
おかる for Windows95 Version 5.01 外観もパッと目を引かれるほどの出来だが、中身の方もしっかりと詰まっている、といった印象のスケジューラ。マウス操作ひとつで使いたい機能が意のままに引き出せ、しかも見やすい画面表示。カスタマイズの自由度も高い、スグれものだ。
●見やすい画面と簡単な入力が特徴 起動して最初の画面からして「おお!」という感嘆符がつく。使い込むにつれ、さらに感嘆符は増えていく。味気なく、どうにも使いにくいという感のあったスケジューリングソフトとは別の次元にあるような存在だ。 クリックひとつでスケジュールやメモ、日記の入力ができ、入力したものを見るのも至極簡単。表示方法は日ごと(Daily)、週ごと(Weekly)、2週ごと(2Weekly)など、7通りのタブが設定されている。週ごとと2週ごとの間には、LevelWeeklyという週の後半と次週の前半をつないだ表示も設定されている。そのほか、年間カレンダーや日記表示があり、画面下に並ぶタブは日記専用のページ(Diary)まで入れて全部で10種類。当日の予定、メモ、ToDoリストなどは別枠で表示でき、入力修正もマウスクリックひとつでできる。ひとつのスケジュールについての設定項目も非常に多い。 画面の表示方法(フォント、色など)もどこからでも引き出せるプロパティで変更可能で、これがまたよくできている。筆者はデフォルトのままでも十分に使いやすかったが、人によって好みの色に変更したいという場合でもプロパティで色を選択するだけですむ。表示倍率の変更で、より細かくしたり大きくするのも自在だ。 ●“使う”のは簡単だが、“使いこなす”には奥が深い 日付の部分をダブルクリックすると、その日だけのスケジュール表示に切り替わる。もう一度クリックすれば以前の表示に戻る。また、Webブラウザのように「戻る」「進む」ボタンが用意されており、これを使って各種スケジュールの連続入力や確認、修正がごく簡単に可能になる。 しかし、単に個人ベースのスケジュールだけを入力し、表示するだけが「おかる」の機能ではない。有名人の誕生日や、記念日(今日は何の日?)などのデータを追加し、スケジュールとは別に切り替えて表示することができる。これは「おかる」でいうところの「グループ機能」で実現されており、こうした諸機能をすべて理解し、使いこなすにはかなりの修練が必要と見た。すべての機能を使える必要はないのかもしれないが、とっつきやすいと思えるのに、かなり奥が深いソフトだ。
(藤田 洋史)
作者のホームページはこちら。 ソフト作者からひとこと 98 DOS用としてたくさんのユーザに揉まれながらハードの限界まで進化したスケジュールソフト「おかる」をWindowsに移植する作業は、単なるプラットホームの移し変えではなく、基本的なアルゴリズムさえも見直す、文字通り0バイトからの出発でした。まず、その基本になるカレンダーだけを備えたメニューもツールバーもなにもない「おかるの種」 をNIFTY SERVEのβ版用ライブラリにアップロードしたのが、'95年の12月でした。それから2年3ヵ月……。中断しては再開、再開しては中断を繰り返しながら、おかるの種はゆっくりと、しかし着実に芽吹き、今新緑に彩られた一人前の若木に成長しました。 「市販ソフトを凌駕する」というだいそれた目標を掲げて開発したのが、この「おかる」です。パソコンソフトの価格が暴落し、今や安価なシェアウェアも一般の市販ソフトと同じ土俵で戦わなければならない時代になりました。数少ない貴重なソフトを、限られたユーザと作者が小さなコミュニティの中で大事に育てていくという、幸福な瞬間は二度と戻らない……。 今オンラインソフトを一丁前のソフトとして世間に認めさせるには、もはや「市販ソフトを凌駕する」しか道は残っていないのです。 砂漠にたった一本、孤独に立ちすくむおかるの樹は、いつかかならず砂漠の藻屑と化してしまう運命なのでしょう。しかし、今、今だけは確実に根を張り、葉脈に水を湛え、葉緑素に光を浴び、少しずつ少しずつ成長を続けています。その進化の様を見届けることは、たとえ滅びる運命とわかっていたとしても、絶対に無駄ではないはずです。砂塵に霞むおかるの樹の姿を、みなさんにもじっと見続けていてほしいのです。 おかる……おかる、ああ、運命のおかるはいったいどこへ行くのかぁぁぁ! (ジャジャジャ〜ン)
(小沼 雄一)
|
|||||||||
[an error occurred while processing this directive] 週刊ソフトニュース、スポットライト、PickUpに関するご意見・ご感想は…… editor@vector.co.jp まで Copyright (c) 株式会社ベクター 記事の無断転用を禁じます。 Copyright (c) Vector HOLDINGS Inc. All rights Reserved. |