「Acronis True Image」をはじめて使ってみて、軽い驚きと興奮を覚えてから、早いもので14年が経つ(当初は「Acronis TrueImage」と表記されていたように思う)。それまで“実に面倒な作業”でしかなかった「バックアップ」は、「Acronis True Image」によって“気軽で日常的な作業”になった。当時の「6.0」と最新バージョン「2018」とでは、インタフェースは大きく変わり、機能面でも大きな進歩が見られるが、気軽に使えることと信頼性が高いことは、当時もいまも変わらない。とにかくわかりやすくて簡単。インストール後に起動すると、コンピュータ名でバックアップセットが用意され、バックアップ対象には「コンピュータ全体」が選択済み。本文にも書いた通り、バックアップ先を選択して、バックアップを実行するだけの最短2ステップで操作は完了する。強いていえば、バックアップスキームの設定が、パソコン初心者には難しいように思えるが、これとて初期状態の「増分」の設定のままでよく、そのまま使い続けても何ら問題はない。
エディションは「Standard」「Advanced」「Premium」の3種類。それぞれパソコン1台用、3台用、5台用のライセンスがあり、いずれも利用できるモバイルデバイスの台数に制限はない。「Standard」はライセンスの有効期限がない(無期限)が、クラウドストレージのライセンスが含まれていない。「Advanced」「Premium」は、有効期限1年のサブスクリプション。クラウドストレージのライセンスが含まれ、容量を選択できる(もちろん価格が異なる)。用途に応じて、最適なライセンスを選んでいただきたい。
2017年9月20日に開催された「Acronis True Image 2018」製品発表会のニュース記事によれば、新バージョンについて「完成度の高い製品なので派手な新機能はないが、六つのカテゴリーで機能を強化している」(アクロニス・ジャパン株式会社代表取締役:大岩憲三氏)とのこと。一方で実装された新機能は240以上にも上るという。たしかに「2015」になったときのようにインタフェースがガラッと変わったわけではないし、「2016」と比較しても、画面左側のメニュー項目はひとつが入れ替わっただけだ。大きな変更点はほとんどないようにも思えるのに、新機能が240以上とは……。「Acronis True Image」畏るべし。
(今玉利 碧)