直感的に使える、“定番”個人向けバックアップソフト「Acronis True Image」の新バージョン。ランサムウェア対策機能の強化などが図られた。「Acronis True Image」は、システムを含むディスク/パーティション全体から指定ファイル/フォルダまで、すばやくバックアップおよび復元を行えるイメージバックアップソフト。プログラム、設定、データといったすべてのファイルをローカルディスク、FTPサーバ、NASにバックアップできる。最短では、(1)保存先を選択し、(2)「今すぐバックアップ」を実行する、のわずか2クリックで操作が完了。データ移行に適したディスクのクローン作成にも対応する。
新バージョン「2018」では、ランサムウェアの攻撃を検知・遮断し、データを保護する「Acronis Active Protection」が「2.0」にバージョンアップ。AIベースの技術を搭載し、機能が強化された。さらに、
- Windowsシステムのクローンを直接、内蔵・外付けディスクに作成できる「アクティブクローニング」
- プログラムやシステム設定などのテスト実行を可能にする、バックアップデータの仮想ドライブへの変換機能
- 別途、プログラムをダウンロードすることなく、ワンクリックで作成できるようになった「WinPEメディアビルダー」
をはじめ、数多くの機能追加・強化が行われた。増分/差分バックアップの高速化も図られた。メイン画面で選択できるメニュー項目は、
- 対象と保存先を選択して実行できる「バックアップ」
- 大容量ファイルや古いファイルを外付けドライブなどに移動して、ディスク領域を増やす「アーカイブ」
- ローカルストレージ間での同期が可能な「同期」(Standardエディションの場合)
- ディスクのクローン作成、ブータブルメディアビルダなどを利用できる「ツール」
- 監視中プロセス数の確認などを行える「ACTIVE PROTECTION(Acronis Active Protection)」
- アクロニスアカウントへのサインインやアカウントの作成を行える「アカウント」
- アップデートの起動時確認指定やバックアップ設定の転送を行える「設定」
など(「2018」では「2017」の「ダッシュボード」が「ACTIVE PROTECTION」に変更された)。インタフェースはわかりやすく、はじめてでも戸惑うことなく操作できる。例えば、新たにバックアップセットを作成するには、「バックアップ対象を変更(デフォルトで「コンピュータ全体」になっている)」「バックアップ先を選択」の大きなアイコンをクリックして、必要に応じてオプションを設定するだけでよい。バックアップ対象ではLANDISK(NAS上のデータ)やモバイルデバイスを選択することも可能。オプションでは、自動実行のスケジュール作成やバックアップスキームの選択、処理対象からの除外指定などを行える。バックアップスキームは、
- 単一バージョン(以前の完全バックアップが削除され、新しい完全バックアップが毎回上書きされる)
- バージョンチェーン(完全バックアップと差分バックアップとを組み合わせて保存)
- 増分
- 差分
- カスタム
から選択・設定できるようになっている。「2018」で「2.0」にバージョンアップした「Acronis Active Protection」は、ランサムウェアの動作パターンを監視し、疑わしい動きを検知した場合に警告してくれる機能。疑わしい動きは機械学習され、その後の検出時間を短縮させる。「2.0」になり、監視対象がファイルのみから「パソコンで実行されているすべてのプロセス」に拡大され、セキュリティダッシュボードで、現在の保護状態と関連するセキュリティ情報も確認できるようになった。
「アクティブクローニング」では、システムを停止・再起動させることなく、クローンを作成することが可能。USB接続の外付けドライブへのクイッククローン作成にも対応する。
バックアップデータを仮想ドライブに変換することにより、仮想マシンを利用したサンドボックスの復元テストを行える。
「WinPEメディアビルダー」でブータブルメディアを作成するには従来、Microsoftの提供するプログラムを別途、ダウンロードする必要があった。「2018」ではこれが不要になり、ワンクリックでブータブルメディアを作成できるようになった。あらかじめ設定が用意された「シンプル」モードか、設定をカスタマイズできる「詳細」モードかを選んで利用できる。
対応するWindows、OS X(macOS)のバージョン、ファイルシステム、モバイルオペレーティングシステムは、作者ホームページのシステム要件で確認できる。エントリーモデルの「Standard」のほか、上位版の「Advanced」「Premium」もある。