前作「HNXgrep」も非常に多機能なgrepソフトだったが、“刷新改善バージョン”の「TresGrep」も同じく多機能だ。作者自ら「いろいろこだわって作りこんでいます」というだけあり、便利な機能が満載。インタフェースは細部にこだわって改善され、「少しでも操作性を高めたい」という作者の思いが伝わってくるようだ。前作同様、PDF、Word/Excel/PowerPointなどのファイルも検索できるのは便利(要「xdoc2txt」)。ボタンやテキストボックスなどのオンマウスでチップヘルプが表示されるのは親切だ。検索結果はもとより、検索条件を保存して再利用することも可能で、日をあらためて同じ条件で検索を繰り返すような場合に便利だ。
キーボードショートカット一覧やReadme、正規表現検索についての説明など、ヘルプ関連の内容も画面下部のプレビューエリアに表示される仕様。使う方によって好みはあるだろうが、別ウィンドウが開く方式よりも筆者はこちらの方がよいと思う。
初版となるVer.0.80が公開されたのが2017年8月21日。その後、現在(2017年9月22日)までに、すでに6回の更新が行われている。本文では触れることができなかったが、「即プレビュー表示」ボタン機能が追加されたり、コンソールモード(バッチ実行モード)が追加されたり、送るメニューに「ごみ箱」が追加されたりと、機能が続々と追加され、操作性の向上に寄与している。
また、「検索処理のパフォーマンスはかなり神経質にチューニングしています」とのことで、Ver.0.91でも「検索処理並列化による速度改善」が行われている。
というわけで、今後の開発も楽しみな一本。シェアレジからの寄付にも対応しており、気に入った方は「寄付していただけると作者が喜びます」とのことなので、ぜひ。
(今玉利 碧)