私はもともと言語学者です。中国語、チベット語、サンスクリット語、ネパール語、その他数多くの言語をライデン大学で学びましたが、なかでも専門はネパール高地部族の言語でした。1993年に大学を卒業し、コンピュータプログラマになりましたが、そのころに出合ったのがLinuxやフリーソフトで、私はすぐにのめり込みました。2003年ごろにファンタジー小説を書いていたのですが、この小説用に地図を描く必要があり、それをフリーソフトを使ってやろうと考えました。そこでまず、私に手伝うことのできるプロジェクトを探すところからはじめました。
そして見つけたのが「Krita」です。当時、「Krita」は「Photoshop」を代替するものとして開発されていましたが、うまく行っているとはいえませんでした。画像を読み込み、表示することはできていましたが、その程度でした。そこで私は、空き時間を利用してコーディングを開始しました。翌年には5〜6名の方が開発に協力してくれるようになり、2005年にはファーストリリースを出すことができました。「Krita」の開発を楽しみながら行っていました。
しかしながら、私自身の興味はレタッチやWebサイトのデザインよりは、むしろスケッチや描画にありました。2004年からボランティアのまま開発責任者を務めていましたが、「Krita」が特にコミックブック作者やイラストレーター、マットペイントテクスチャ制作者のためのソフトウェアであるのはその影響もあります。
「Krita」は、現在も開発を継続しており、開発当初から現在まで、みなさんが「Krita」で表現してくださるものに驚かされ続けています。
アーティストインタビューはこちら:https://krita.org/en/features/artist-interviews/
(Boudewijn Rempt, The Stichting Krita Foundation(Krita財団))