「Directory Monitor」の開発を開始したのは2008年。当時、プライベートなネットワーク共有をモニタできるソフトがなかったためです。当時、働いていたオフィスでは、誰かの共有アイテムに変化があったとき──例えば新しいファイルがコピーされたとき──に、いちいちメールを送信しなくても通知される仕組みが必要でした。オンラインソフトで利用できそうなものはないか探してみましたが、該当するものを見つけることができなかったため、「それならば自分で作ろう」となったわけです。
何回かのバージョンアップを経たころに友人がこう言ってくれました。「こんなに利用価値が高いのだから、インターネット上に公開してみたら?」
公開してみるとたちまち人気ソフトになり、世界中のユーザから新機能を求める声やバグリポートが届きました。人々の役に立つものを作ることがいかにすばらしいかを気づかせてくれた出来事で、私は「Directory Monitor」にいくつかの大きな機能追加をしようと考えはじめました。
ユーザの検出は、実現するのが最も難しい機能のひとつでした。「ユーザの正確な特定」は信じ難いほどに複雑で、Windowsのバージョン違いでも異なる挙動を見せます。同種ソフトにこの機能が実装されていないのは宜なるかな。実に難しいのです。
機能が予定通りに実装できたとき、私は「Directory Monitor」をプロフェッショナル向けの製品にしようと考え、フルタイムサポート付きのライセンスの販売を開始しました。
ユーザのみなさまは、私が想像もしていなかった使い方で「Directory Monitor」を使っています。ネットワーク共有へのコピーを通知させたり、ディレクトリを同期させたりといった基本的な使い方から、法律事務所で法的文書の変化を監視するような使い方まで、さまざまです。電子メールを送信し、マシンをシャットダウンさせるマルウェア「CryptoLocker」の捕捉にもよく使われています。
ディレクトリやあなたのマシン、あるいはネットワーク上で変化があったときに、何かを実行させたり、単に監視したりするのに「Directory Monitor」は役に立つはずです。
「Directory Monitor」の開発は現在も継続しています。実装が予定されている大きな機能追加もいくつかありますが、数多くいるユーザの方にご迷惑をおかけしないよう、テストを繰り返しながら、慎重に作業を進めています。「Directory Monitor」の成功のおかげもあり、2年前に退職して、さらなるソフトウェアの開発に時間を割けるようになりました。「Directory Monitor」のような製品の開発は、オンラインへのソフト公開、クライアントとの取り引き、そして人々が望む機能の開発について、たくさんのことを教えてくれました。
開発時に私が感じた喜びを、「Directory Monitor」を使って味わっていただければと思います。ユーザの方々の「Directory Monitor」の活用法にはいつも驚かされています。あなたには、どのようなお役に立つことができるでしょうか?
(DevEnterprise Software)