“ゆるくてダルい”独特の雰囲気が漂う、個性的な短編ファンタジーRPG。3種類のエンディングを制覇し、物語をとことんまで堪能しよう。死んでしまった処刑人を自らの手で殺すため、魔術師「ルル」は蘇生術に必要な魂を集める
「俺があいつと雌雄を決せない件」は、「楽しみにしていた果たし合いの直前に死んでしまった相手とあらためて戦うため、蘇生術の材料となる魂を集めて回る」という設定の短編ファンタジーRPG。主人公+従者の二人の女の子が“ダラダラ”と奮闘する。想定プレイ時間は1周2時間程度。
ゲームの主人公は、炎熱を得意とする魔術師の「ルル」。教会の処刑人と殺し合う約束をしていたが、約束の場所に行ってみると、処刑人はすでに死んでいた。納得がいかないルルは、あらためて戦って殺すために、処刑人を生き返らせることを決意する。「これまで聖術の専売特許だった蘇生を魔術で行えば大発明」との理由をつけながら……。
しかし、蘇生術を行うには「半壊魂」と呼ばれる、肉体を失った状態の不安定な魂が大量に必要。半壊魂を89個以上集めるため、ルルは従者の「ニゲラ」をつれて、野生生物狩りを行ってゆく……。
どこかしらに傷を負った、癖のあるキャラが物語の中心
「ルル」は、「山の上の魔女」と呼ばれる、広範な技能を持った研究肌の魔術師。200年以上生きており、過重殺人の疑いで指名手配されている。非力で、戦闘では物理的な攻撃力はほとんどない。火魔術や各種回復魔術などが得意。
「ニゲラ」は、ルルに従者として雇われている、実質同居人。腕っぷしは強いが、繊細な仕事はいまいち。家事は壊滅的な“脳筋”タイプ。かつて裏社会で暗殺者のようなこともしていたらしい。魔術は一切使えない。
「アステロープ(デフォルトの名前。変更可能)」は、聖ストゥーク教会付属粛院の処刑人。前任者「ハートフィールド」から最近、仕事を引き継いだが、正規の処刑人ではないらしい。絶え間なく努力をし続け、仕事を抱え込む。常に寝不足かつ過労気味。
「トモナリ」は、本部所属の正規職員で、アステロープの部下の女性事務員。女扱いされるのが嫌で髪の毛を短く切り、服装もポーイッシュ。腕に障害があるらしい。
「スイセイ」は、高位の水の精霊。ルルの面倒を100年間見ていた。ルルに恋心を抱いている。
休息回数も分岐条件となるため、回復はもっぱらアイテムとスキルで
ゲームの内容は、3ステージからなるダンジョン探索と戦闘がメインのRPG。ダンジョン内を探索し、ランダムエンカウントで遭遇したモンスターと戦う。経験値を稼いでレベルアップし、半壊魂を集める──短編RPGの中でもシステムとしてはかなりシンプルな方だ。
レベルアップすることにより、使用できるスキルは増える。装備やアイテムは、なぜかダンジョン内で行商をして生計を立てている、異世界からやって来た男子高校生「リョウ」から購入できる。ダンジョン内の光っている個所を調べると入手できることもある。
休息は、ルルの家のティーセットの前および各ステージの休息ポイントで行えるが、休息回数によってエンディングが分岐するため、休息はなるべく行わず、アイテムでの回復に頼った方がよい。
各収集ステージのラストではボスとの戦闘も控えている。ステージ2クリア時点で半壊魂が89個以上集まっている場合はステージ3に入らずにエンディングとなる。