「画像のシャドウ部分に発生するざらつき」「本来ないはずの色が現れる偽色」などを軽減する、ノイズ処理専用のレタッチソフト。なるべく感度を上げたいデジスコでの野鳥撮影(筆者も一時期、だいぶのめり込んでいた)や、長時間露光が必要な天文写真の愛好家には以前から知られている、定評あるソフトだ。ノイズを単純にぼかしてしまうのではなく、画像を解析して作成されたプロファイルによって高精度な処理を行う。このため独自のプロファイルを作成する場合は、カメラの機種、解像度、ISO感度などに応じて細かく使い分ける必要があり、作者のホームページで配布されているプロファイルでも、機種ごとのアーカイブファイルには解像度や感度別のファイルが多数、収録されている(筆者が確認したものでは、ファイル名で判別できるようになっていた)。
プロファイルの作成は基本的に自動(Auto Profile)でよいが、ノイズパターンを識別するには、“空”のようになるべく色や図柄の変化がない“平坦な場所”が必要。また「Auto Match」にはExif情報が利用されているようだ。
表示モードを切り替えることで、チャンネル別に効果を確認したり、空間周波数(細かい木の枝が密集する場所は周波数が高く、単色の壁のように変化が少ない部分は低い)に応じた設定ができたりなど、ハイエンドユーザの要求に応えられる仕様だが、「Standard Mode」で使う限りは、初心者でもまったく問題ない。「夜景を撮影してみたけれど、ざらつきが気になってちょっとがっかり」といった方も、ぜひ試してみていただきたい。
「Demo edition」では、対応する画像が24bit RGB(8bit/チャンネル)または8bitグレイスケールに限られていたり、バッチ処理可能な画像が10枚までだったりといった制限があるが、ノイズ軽減処理の内容そのものは上位版の「Home edition」「Pro edition」と変わらない(詳細はhttp://www.neatimage.com/win/standalone/featuremap.htmlを参照されたい)。スタンドアロン版以外にPhotoshop用Plug-inもあるので、Photoshopユーザの方はそちらもチェックしてみるとよい。
(福住 護)