デジカメ写真のノイズを高精度に除去・低減できるソフト。簡単な操作で使える。画像解析によりノイズのプロファイルが作成され、プロファイルにもとづいてノイズが除去・低減される。「Neat Image standalone Demo edition」は、デジカメ写真に発生する輝度ノイズや色ノイズを除去・低減し、画像の品質を向上させる、ノイズ処理専用のレタッチソフト。処理前後の状態をプレビューで確認した上で、フィルタの適用された画像を保存することが可能。複数の画像をまとめて処理することもできる。対応する画像形式は読み込みがJPEG/BMP/PNG/TIFF、書き出しはJPEG。上位で有償の「Home edition」「Pro edition」に対し、無償で利用できる「Demo edition」には、一度のバッチ処理できる画像枚数に制限があったり、ドラッグ&ドロップに対応していなかったりなど、一部機能に制限が設けられている。
メイン画面は、
- Input Image(画像ファイルの読み込み)
- Device Noise Profile(ノイズパターンの特徴を解析したプロファイルの作成)
- Noise Filter Settings(ノイズ除去・低減フィルタの設定)
- Output Image(画像の保存)
の四つのタブ画面で構成され、この順番で操作してゆく(プロファイルを作成せずに、フィルタ設定へ進むことはできない)。各タブ画面には、表示倍率を変更できるビューアと、必要に応じて呼び出せるサムネイルビューが用意され、サムネイルビューで表示範囲を指定して、ビューアで画像の細部を確認する仕組み。RGB各チャンネルに分けて表示させたり、ポイントした個所のRGB値を取得したりといったこともできる。
「Device Noise Profile」では、画像内の情報を自動解析してプロファイルを作成できる(Auto Profile)ほか、プロファイルを保存したり、読み込んだりすることも可能。作者のホームページでは、代表的なカメラの機種別プロファイルが公開され、ダウンロードして自由に利用できるようになっている。
すでにプロファイルが保存されている場合は、現在開いている画像に適したプロファイルを探し出すことが可能(Auto Match)。マッチングの判定レベルも好みに応じて調整できる(Auto ProfileとAuto Matchとを組み合わせたSmart Profileもある)。プロファイルを微調整することも可能だ。
プロファイルの設定が終わり、「Noise Filter Settings」タブ画面に切り替えると、ノイズ処理の結果をプレビューで確認できる。プレビューエリアの右上には処理済みを意味する“Filtered”というステータスが表示され、プレビュー画像上でマウスのボタンを押している間は、処理前の画像に切り替わる(このときステータスは“Original”と表示される)。プレビューエリア上をドラッグで選択し、選択範囲内だけを対象にフィルタ適用前と適用後とを比較することも可能だ。
フィルタ設定では「Standard Mode」「Advanced Mode」の二つのモードを使い分けられる。「Standard Mode」では、輝度ノイズ(Luminance)と色ノイズ(Chrominance)およびシャープネスの適用量をスライダーで変更することが可能。「Advanced Mode」に切り替えると、ノイズレベル(Noise Levels)、ノイズ除去量(Noise Reduction Amounts)、シャープネス処理(Sharpening)の各項目をより詳細に設定できるようになる。ノイズフィルタの設定を変更したあとは、「Preview」ボタンをクリックすれば、変化を確認できる。フィルタ設定の保存・読み込みも可能で、プリセットも収録されている。
メイン画面左側のパネルでは、画像の追加読み込みやフォルダ単位での一括読み込み、画像の切り替えなどを行うことが可能(Multi-Image Modeの場合)。読み込んだ画像はサムネイルで一覧表示される。プロファイルの作成やフィルタ処理が終わった画像のサムネイル上にに青とオレンジの丸が現れ、設定が終了していない画像はひと目でわかる。さらに「All tasks」タブ画面に切り替えれば、各画像の状態をリストでも確認できる。
複数の画像(「Demo edition」では画像10枚まで)を対象に一括処理を行う場合は、専用のダイアログを使用する。画像の指定はフォルダツリーで行い、プロファイルの指定方法やフィルタ設定、出力方法などは全画像共通となる。