見やすい画面構成と高い操作性、レイアウトやイラストなどの豊富な素材に定評のあるはがき作成・住所録管理ソフト。パッケージ版「筆まめVer.26」に相当し、一部の機能と素材が割愛されている。「筆まめSelect2016」は、はがきソフトの初心者に向けた手厚いサポート機能をはじめ、“漫画風”“新聞風”など、趣向を凝らした年賀状を簡単に作れる機能や写真素材のレタッチ、コラージュなど、多彩な機能を備え、幅広いユーザのニーズに対応するはがき作成ソフト。年賀状や暑中・残暑・寒中見舞い、喪中はがき、挨拶状といったはがきだけでなく、名刺やネームラベル、カレンダーなどの印刷物を作成することもできる。
今回のバージョンアップでは、著名な芸術家によるデザインや、47都道府県のご当地キャラをあしらったデザインなど、質の高い年賀状レイアウトを新たに利用できるようになった。さらに、好みのデザインをピックアップして、あとから簡単に呼び出せる「お気に入り登録」が追加され、住所録の作成・閲覧機能の強化なども図られた。操作性や機能が従来以上にパワーアップした。
「筆まめ」では、利用したいモードを起動時に選択できる。
- 筆まめ(Ver.26):通常のモード
- はじめてモード:初心者向けに操作を大幅に簡略化し、一画面で宛名(おもて)面とデザイン(うら)面を作れるモード。タッチパネル操作にも対応
- Web筆まめ:インターネット上で年賀状を作成するモード。スマートフォンでも操作できる(2015年11月よりサービス開始予定)
からモードを選んで、操作を開始する。宛名面の住所録はカード型の画面で、一人分の情報をまとめて入力してゆく。宛先の氏名および自宅・会社の住所、郵便番号、電話番号、メールや誕生日、顔写真といった個人情報も登録しておける。初心者向けのナビ機能「かんたん宛名入力」を利用すれば、宛名印刷用の住所・氏名だけを迅速に登録することも可能だ。
住所録は一覧表形式で閲覧したり、入力・編集したりすることも可能。一覧表示の形式には、
- 標準表示:宛名面デザインに準拠し、氏名の横に連名を表示
- 名簿表示:氏名、郵便番号、電話番号のみを表示
- 宛名印刷チェック:印刷する/しない、住所種別(自宅/会社)のチェック欄を表示
- 出受・一言表示:年賀状を出した/受け取った履歴を表示(新機能)
があり、専用ボタンで切り替えられる。住所録の作成では、宛名面のプレビュー画面が用意され、宛名データを登録すると、リアルタイムではがきイメージに文字が表示される仕組み。レイアウト(文字の配置)は自動で行われ、日本郵便の通常「年賀はがき」のほか、「いろどり年賀状」「ディズニーキャラクター年賀状」「普通はがき」といった用紙フォームを指定するだけで、書道家の監修によるレイアウトでバランスよく配置される。ユニークな機能として、宛名面に透かし絵風のデザインやイラストを配置できる「宛名デコ」があり、通常は文字だけの宛名面に華やかな彩りを添えることが。
文面の作成では、パソコンによる年賀状作成に慣れていない人を意識した、ウィザードによるアシスト機能が充実。最も簡単なのが「特急デザイナー」で、(1)サンプルから文面デザインを選択し、(2)イラストを入れ替えて、(3)文章を編集する、の3ステップで年賀状が完成する。さらに「デジカメデザイナー」では、作りたいはがきの種類(年賀状、暑中・残暑見舞い、結婚、出産)と利用したい写真(3枚まで)を選択して、デザインテンプレートに写真を配置。プレビューで見比べながら、好みのデザインを選べる。写真の編集や入れ替え、簡単なレタッチなども行える。「年賀状デザインナビ」では、豊富なデザインテンプレートから条件(送る相手やデザインの雰囲気)によって候補を自動的に抽出してくれる。イラスト・賀詞の要素や背景・カラーを好みに応じて変更することも可能だ。
「初笑い年賀状工房」は、趣向を凝らした年賀状を作れる機能。
- 漫画風年賀状:せりふや効果音などの書き文字、吹き出し枠を加えて作る
- スクラップブック年賀状:台紙の上に型抜きの写真、イラストやシールなどを貼り付けて作る
- 新聞年賀状:新聞のような段組・レイアウトの年賀状を作る
- 年間思い出年賀状:四季や12ヵ月のイベントの写真を配置して作る
など、手の込んだデザインの年賀状を簡単な手順で作成できる。新バージョン「2016」の目玉のひとつが、今年限定の特別な年賀状デザインを搭載したこと。横山大観や山下清、紫舟、片岡鶴太郎らのアーチストによる作品を年賀状にした「スペシャルデザイン年賀状」、47都道府県のさまざまなPRキャラを使った「ご当地キャラ年賀状」がある。いずれもほぼ完成形に近いデザインで、そのまま印刷して使えるようになっている(メーカーサイトでのユーザ登録が必要)。もちろん、必要に応じて文面を編集したり、差出人を追加したりすることも可能だ。
文面に用いる写真やイラストなどの素材を編集するデザインツールとしては、写真の明るさやコントラスト、シャープネスなどを補正できる「筆まめレタッチ」、絵画調やモノクロームといった加工を行える「筆まめフィルタ」を搭載する。「2016」では、指定した範囲を複製して、画像上の不要なものを消せる「クローンブラシ」が追加された。
そのほか、写真を切り抜くための「フォトカッター」、たくさんの写真をハート型や四角形などにレイアウトできる「フォトコラージュ」、文字やスタンプ、デコレーションテープなどをペイントツールの感覚で、任意の位置に貼り付けられる「お絵かきペン」などもあり、アイデアと工夫次第で、オリジナリティの高い年賀状を作ることができる。
「筆王」「筆ぐるめ」「Excel」など、他社のアプリケーションで作成した住所録を「筆まめ」に読み込んだり、住所録やデザインのデータを別のパソコンへ引っ越したりするためのデータ変換機能も搭載。いずれもウィザード画面に従って操作するだけでよい。