ブラシやスタンプといった細部の編集を行うツールを省き、画像全体の加工に的を絞ったベーシックな画像編集ソフト。自動レベル補正やハーフトーンなどのボタンはあるものの、基本的にはスライダーをドラッグするだけの簡単操作が特徴だ。搭載された機能も比較的オーソドックスなもので、凝った編集には向いていないかもしれないが、デジカメ写真の簡単な加工用としてはお手頃だ。操作の点では、スライダー上をクリックするとミニウィンドウがポップアップして、効果をプレビューできるのが特徴。各ツールともスライダーを左右に動かすだけで、そのほかのオプションは一切ないというシンプルなスタイルに徹している。
機能面では、画像のトリミング(クロップ)、ドラッグ範囲の拡大表示などはあってもよかったのではないかという気もするが、スライダーでの操作に絞り込むというポリシーのもと、あえて省かれたのだろうか。また、リサイズ機能のプリセットも、もう少しバリエーションを増やすかユーザによる追加ができると、より使いやすくなるのではないかと感じた。
pixel単位での修整や細かいパラメータ設定などは求めず、手軽に画像編集を楽しみたい方には最適なソフトだ。
【補足】8月12日現在、Ver.5.5用には日本語化用のパッチが配布されているが、Ver.5.6用のパッチはまだ配布されていないため、やむなく英語版の状態で試用した。いずれパッチを当てることで日本語版で利用できるようになることを期待したい。
(福住 護)