多彩な機能で写真を“細部まで思い通りに編集できる”統合型デジタル画像管理ソフト。RAWデータの現像やJPEG画像の非破壊編集なども可能。レタッチツールとしても十分な機能を備える。「ACDSee Pro」は、画像の検索・閲覧から編集、オンラインアルバムでの公開やSNSへの投稿までに対応した統合ソフト。大量の画像も軽快に編集・管理できる。新バージョン「8」では、編集ブラシと組み合わせて、狙った個所だけを正確に編集できる「ピクセルターゲット(Pixel Targeting)」、エクスプローラなどのコンテキスト(右クリック)メニューからExif情報を確認できる「PicaView」、手軽に明るさの調整を行える「1-ステップEQ」をはじめ、数多くの機能追加・強化が図られた。「ACDSee Pro」は、ハイエンド「ACDSee Ultimate」とエントリー「ACDSee」との中間に位置するミドルクラスのエディション。
選択できる動作モードは「管理」「表示」「現像」「編集」「365」の五つ。メニューやボタンで自由に切り替えながら作業を進められる。
●管理
ライブラリへの画像のインポートや画像の参照・検索といった操作を行えるモード。画面は3ペイン構成で、中央部にサムネイル表示エリア、左側にはフォルダツリー/カタログ/カレンダーを切り替えられるブラウズ機能+ヒストグラムやExif情報の表示も可能なプレビューエリア、また右側にはExif、メーカーノートなどを含むメタ情報やプロパティの表示エリアが配置される。
カタログでは、アルバムや場所、人物、重要度、カラーラベルなどから画像を選択することが可能。カタログのほかにもフィルタやグループといった絞り込み機能があり、これらを組み合わせることで、画像を効率的に閲覧できるようになっている。
ディスクや外部デバイスからのカタログへの画像インポート、露出調整やフォーマット変換などの加工、PDF/HTML/PPTファイルなどの作成、HTMLアルバムやコンタクトシートの作成、スライドショウ、FTPサーバやクラウドストレージへの転送、Facebookへの投稿なども行える。画像にジオコード(位置情報)が記録されている場合は、地図を表示させることも可能だ。
●表示
画像閲覧用のモード。フルサイズ表示や倍率指定に加え、ヒストグラム表示、画像全体を縮小表示するナビゲータ、一部を拡大表示する虫めがねなどを利用できる。露出の警告を画像上に表示したり、モノクロ/セピアなどの処理を指定してプレビューしたりすることも可能。画面下段にはサムネイルが横一列に表示される「フィルムストリップ」があり、「管理」モードに戻らなくても、その場で画像を選択できる。カテゴリ設定やタグ付け、ラベル割り当て、メタ情報の編集、回転や反転なども行える。
●現像
RAW画像の現像や、JPEG形式の画像を損なわずに加工できる非破壊編集を行える。現像ツールは「調整」「ディテール」「ジオメトリ」「修復」にグループ化され、「調整」では露出をはじめ、コントラスト、ホワイトバランス、ハイライト/シャドウ、トーンカーブなどの補正を、また「ディテール」ではシャープネスやノイズ除去、色収差の補正などを行える。「ジオメトリ」では、トリミングやレンズの歪み補正、回転、口径食(周辺減光)の補正などを行うことが可能。「修復」は、クローンや美肌効果、赤目補正などに使用する。
●編集
一般的な画像編集を行えるモード。画像全体のレタッチ、選択ツールを使った部分的な編集や図形の描画、テキスト入力、透かしや枠の合成、チルト/シフト、フィルタ加工など。ブラシによる細部の修正や透かし、フレーム画像との合成なども行える。
●365
オンラインアルバム(Acdsee 365)と連携して画像を公開できるモード。ファイル管理用の「ウェブ」と、パソコン内の画像をアップロードするための「転送」の二つのタブ画面を切り替えて使用する。ローカルマシンとオンラインアルバムとを同期させることも可能。アップロードした画像は「ウェブ」内の「管理」画面にサムネイル表示され、画像をフォルダ別に管理したり、公開/非公開フォルダを設定したりできる。サムネイルをクリックすると画像が拡大表示され、プロパティやタグを編集したり、コメントを閲覧したりできる。そのほか、選択した画像を電子メールに添付して送信したり、FacebookやTwitterに投稿したりすることも可能。ダウンロードセンターやカスタマーサポート、ユーザコミュニティへのアクセスも「365」モードから行う。
写真やカテゴリ設定、キャプション、キーワードなど、すべての情報はデータベースに保存され、定期的にバックアップが行われる。初期設定では、パソコンのアイドルタイムを利用して監視対象フォルダ内の画像が自動でインデックス化されるようになっている。