多彩なエフェクト(効果)を搭載した画像編集ソフト。カラー補正などの基本的なレタッチに加え、オーバーレイ加工なども簡単に行える。「Autodesk Pixlr」は、シンプルで使いやすいインタフェースと高度な機能とを両立したグラフィックエディタ。Autodesk社が提供するオンラインイメージエディタ「Pixlr Express」のデスクトップ版という位置付け。エフェクト関連機能ではメニュー項目自体がサムネイルで表示され、メニューを開くだけで「どのような機能なのか」を把握できるようになっている。対応する画像形式はBMP/GIF/JPEG/PNG/PSD/TIFF。
基本的なユーザインタフェースはスマートフォン/タブレットアプリ風。メイン画面左側に並ぶボタンをクリックするとサブメニューが展開される。画面上部にはコンパクトなメニューバーが、また最下段には表示倍率指定やメタデータ(Exif表示)用のボタンが配置されている。
メニューバーから利用できる機能は大きく分けて「fast」「refine」「text」の三つ。「fast」では、画面の切り抜き、リサイズ、回転(傾き補正)、自動補正、赤目補正、ブラシを使った明るさ補正といった基本的なレタッチを行えるほか、画面の一部をぼかしてレンズのボケ効果を作り出す「Focal」や、ブラシでなぞった部分の色を変化させる「Splash」などが用意されている。
「refine」では、画像全体に対する色補正やコントラスト調整、ぼかしやシャープネス、多重露出効果(透明度を指定した別の画像を重ねる(Double Exposure))などの処理を行える。
「text」内の項目は「Type」のみ。文字の入力や斜体/下線などの装飾、フォントの種類やサイズの指定をダイアログ上で行える。画面上のハンドルを操作して、傾き調整を行うことも可能だ。
画面左端に用意されたパレットでは「fast」「refine」「text」に加え、「effect」「overlay」「border」「stylize」「stickers」も利用できる。いずれもサブメニューを持ち、カスケード式のパレットで機能を選択する仕組み。パレットは効果が表されたサムネイル風で、パレットを開くだけで、およそどのような効果を適用できるのかがわかる。
「effect」では、カラーフィルタをかけたような色の強調やモノトーン化、ソフト処理などの加工を行える。画面を分割して、元画像をタイル風に並べる加工も可能。各機能のサムネイル上のハート型アイコンをクリックすると、お気に入りの効果として「favorite」グループに登録される。
「overlay」では、炎、花火、ネオン、宇宙、キャンバスなどのイメージを合成して、ファンタスティックな画像を作成できる。
「border」は、画像に縁取り(枠)を付ける機能。単純な枠だけでなく、レンズの周辺減光やフィルムがカールしたような効果を適用できるもの、折れたり、皺がよったりした紙に印刷したような効果を与えられるものなど、さまざまなパターンがある。
「stylize」では、pixelの輪郭を強調することで、鉛筆画や水彩画、油絵風などの効果を生み出せる。
「stickers」では、アクセサリやアンティーク風の図版、コミックで使われる効果音用の文字、生き物などのイラストやシンボルマークを画像に配置することが可能。「effect」と同様、お気に入りを登録できる。「kawaii」カテゴリーにはゆるキャラ風のシンボルも収録されている。
「effect」「overlay」「border」「stylize」「stickers」では、サブメニューを選択した時点で効果がダウンロードされる。はじめて使用する際にはアイテムの表示までにやや時間を要するが、2回目以降はすぐに表示される。