多数のファイルから一気にまとめて文字列を検索できるGrepソフトは、データ管理においては非常に強力だが、一般的にはテキストファイル内の検索しかできないため、ワープロや表計算ソフトで作成された資料が相手では役に立たない場合がほとんどだ。これを打開するには、マルチフォーマット対応の全文検索ソフトを導入するという手もあるが、あらかじめ全ファイルを登録してデータベース化しておく必要があったり、ファイルが増えるたびに更新する必要があったりと、文書管理の手間が増えてしまう。
そんなときに便利なのが「Dyngrep」だ。ドキュメントのデータベースを作成する代わりに、さまざまな文書形式に対応した変換用ライブラリを組み込むこむことで、テキストオンリーの一般的なGrepソフトとほとんど同じ感覚で手軽に使えるものとなっている。
簡単なテスト用のドキュメントをいくつか作成して動作をチェックしてみたが、DOCX/XLSXやPDFで日本語の文字列も問題なく検出できた。HTMLファイル内の文字列では、Converter LibrariesがIFilterの場合は検出せず、そのほかのものを選ぶとヒットするといったケースが見られた。一部動作していない機能もあるようだが、使い方次第で大きな武器になってくれるのは間違いない。今後のバージョンアップにも期待したい。
(福住 護)