RPGなどのゲームをしているとよく見かけるのが、戦闘時などに敵キャラ(味方のこともあるが)が倒されて爆発したり、斬り倒されたりといったエフェクトアニメーション。「Prominence」は、こうしたエフェクトを作成するための専用ソフトだ。昔のRPGはキャラクタのドットも荒く、エフェクトアニメーションのサイズも小さなものだった。このころのキャラクタ作成といえば、ドット単位での編集に向く「アイコンエディタ」のようなソフトで作られていたものが多い。アニメーションを表現する場合でも、各フレーム画像を手動で1枚ずつ作るイメージだ。
しかし最近では、高解像度のディプレイが普及したせいか、いわゆるドットキャラも高精細化され、エフェクトの解像度も上がっている。こうなってくると、もはやドット単位の編集では手が出ない。「Prominence」が行っているような、画面内にオブジェクトを配置し、時間に応じて動かす「モーションエディタ」的な機能がどうしても必要になる。
「Prominence」で作成できるエフェクトアニメーションに似ているのが、ビデオ編集ソフトでいう「パーティクルエフェクト」だ。だがビデオ編集ソフトのそれは、あくまでエフェクトとして利用するためのもので、「Prominence」で作れるような、単体で鑑賞(?)に堪えるようなアニメーションではない。
作成するアニメーションが特殊となるため、設定項目にも特殊なものが多い。しかし、それにもかかわらず“とっつきやすい”のは、すべての変更の結果をリアルタイムで確認できるからだろう。この機能のおかげで、はじめて使う場合でも、いろいろ試しながら楽しんでアニメーションを作成できる。一般のパソコンユーザが広く使うようなソフトではないかもしれないが、それだけに使う人の立場に立って作られている。
素材やサンプルデータが用意され、作者のホームページには詳細な説明もあるので、一般のパソコンユーザが適当にパラメータをいじって、アニメーションの変わり具合をみるだけでも楽しい。
(天野 司)