ソフトを開発しようと思った動機、背景など……
このゲーム(優しいシュマップス・アカデミー)について語る前に、先に公開された別バージョンの「Shmups Academy 無料版」に少し触れておきたいと思います。「Shmups Academy」は、かつてのアーケードゲームがごく普通に持っていたような“シンプルゆえの本気の面白さ”を出したいと思い、演出や装飾は最小限に抑え、すべてのゲーム体験をゲーム内に収めるような構造に特化させています。ただ、それではいまどきのユーザさんには少し退屈でしょうから、ステージ幕間にちょっとしたキャラクタイベントを挿入したり、さまざまなチャレンジを達成してアイテムを集めたりといった寄り道要素を盛り込みました。
ただし、ゲーム自体は昔ながらのアーケードゲームを意識しているため、簡単ではありません。なので何度エンディングを迎えてもコレクションアイテムはほとんど集まらないかもしれないし、初心者ではゲーム中の成績もよくならないかもしれません。
ゲーム公開後に一人のユーザの方から、
- 「DEAD HEATの発動中は通常ショットを撃ってもTRIGER値は上昇しないようにしてほしい」
という要望をいただきました。シューティングゲームをほぼ遊ばないという方です。DEAD、HEAT、TRIGER、TIME……各値の上昇を抑えることはこのゲームの基本ですので、その要望に応えることは信念上、できなかったのですが……。このゲームを遊んでくれたユーザさんは「ゲームをクリアして終わり」ではなく、「このゲームでよい成績を出したい」と思ってくれていたのです。少数でもそのような“ゲームを本気で楽しんでくれるユーザ”がいるのであれば、その声を聞かなくては……そしてもっと多くの人が触れられるように、厳しさをマイルドにしたバージョンがなければいけないのではないか?──それが「優しいシュマップス・アカデミー」を開発しようと思った動機です。
初心者・未経験者にとって2Dシューティングゲームはやはりハードルが高いです。でも、だからといって経験者・好事家だけを対象としたソフト開発に偏っていては、体験できる人は限られてしまいます。ゲームはユーザさん自身が能動的に遊ぼうとしなければ面白くはなりません。今回のゲームがどこまでユーザさんに優しく寄り添えるものとなったか? それはわかりませんが、ひとつだけわかったことは「ゲームは『作って終わり』ではなかった」ということです。とてもよい経験になりました。
今後のバージョンアップ予定など……
ゲーム中のグラフィックなどはまだ未完成のものを含んでおりますので順次、そのような個所の修正を行い、見栄えをよくしてゆく予定です。
そのほか、難易度調整等も含めて改良に取り組んでいきますので、「Shmups Academy 無料版」「優しいシュマップス・アカデミー」ともども今後もよろしくお願いします。
(青嶋 荒作)