オリジナルの8bitサウンドやドット絵など、“レトロ”をとことんまで追究した、ハイクォリティのRPG。荒いドット絵で表現された画面の雰囲気や、適正レベルで戦わなかったときの敵の理不尽なまでの強さなど、オールドファンであれば大いに懐かしさを感じるだろう。敵モンスターのデザインもとてもよい。荒いドット絵ならではの“味のある”デザインがなんとも魅力的だ。レトロを追究しているものの、操作性は非常に高い。敵との戦闘ではそれぞれのキャラクタの前回の行動が記憶され、攻撃を変更しないのであれば、決定キーを押すだけでサクサクと戦闘を行うことができる。【Shift】キーを押しながらの移動でダッシュできたり、町やフィールドだけでなく、ダンジョン内でもいつでもセーブできたりなど、プレイアビリティは高い。
見かけこそとことんレトロが追究されてはいるが、レトロゲームファンだけでなく、幅広い層が楽しめる良作だ。一部に敵の理不尽なまでの強さや強引なストーリー展開などもあるが、それはそれでレトロゲームならではの楽しみのひとつといえるだろう。
(秋山 俊)