ソフトを開発しようと思った動機・背景
まず、ソフトを起動いただければ一目瞭然、ファミコン時代のレトロRPGを、その時代にどっぷり浸った作者なりに極限までしてみたレトロ調RPGになっています。が、このゲームを開発しようと思った動機・背景となると、単純にレトロRPGへのオマージュというだけではなく、それは極めて複雑で、多層的かつ私的な要素を含むものになります。幅広く、多くの方々に楽しんでいただくエンターテイメントたり得るよう制作した一方で、自身が一制作者として次の創作・開発段階へ進むために、どうしても一度は突き詰めるまで突き詰めたかった/自分なりに乗り越える必要があった、つまり自身にとっての消化であり、次の段階への昇華の創造行為でもありました。
エンターテイメントといわば自己表現という二極性。もっともそれは商業ではない、とりわけ個人制作のフリーゲームというもの自体の持つ宿命だとも思いますが――自己表現という部分については、詩や小説や絵や音楽にそういったものがあるのと同様に、自身の内面にある言葉として語りきれない・説明しきれない何かを、このゲームの全体・細部を通して表している、といえると思います。もしかしたらそれらのどこかに共鳴してくれる人がいるかもしれないし、あるいは人によってはまったくリカイフノウなものでしかないかもしれません
開発中に苦労した点
私にとって、数値や名称・設定等を含めたデータベースを作り、ほどよい緊張感を保ったゲームバランスを作り、もちろん素材を作り――といったRPG制作に関わるほとんどの要素は楽しいものなのですが、そのような客観的にゲームを整えようという私と、先述したような自己表現の煩悩に塗れた私とが同居しており、その鬩ぎ合いに苦しんでいる気がします(いや、あるいはこの点は愉しんでいるとも)。あと時間と心身がどうしても足りない、と感じます(ここが一番苦しい点だと思います)。
ユーザにおすすめする使い方
レトロですが、いまの時代に合わせた快適さでプレイできることを心がけています。また、このレトロの持つ可愛かったり、シュールでどこかこわかったりするグラフィック、またピコピコサウンドは、どれだけ時代が進んでも愛らしいものたり得ると思いますので、レトロファンの方はもちろん、子どもや若い世代の人にも楽しんでもらえるとうれしいかなと思います。
まずはシンプルにゲームを楽しみ、もしどこかで共鳴していただけるところがあるなら幸いに思います。
今後のバージョンアップ予定
基本的にはシステム、シナリオともこのゲームにとってはほぼ理想形に近い形で完成できたゲームだと思っています。
しかし、RPG自体のユーザビリティ、プレイアビリティについてはまだまだ追求の余地があります。そこは次回作につなげる過程で改善・向上させていきますが、まだ本作のバージョンアップの範疇で行える部分もあるかと思います。それらについては、関心を持っていただけた方はサイトをチェックしていただければと存じます。
(k.imayui)