シンプルだが、細部までしっかりと作り込まれた、ゲームバランスのよいダンジョン探索RPG。キャラクタを自由に作成して、育成する楽しみもある。パーティメンバーは自由に構成することが可能。オーソドックスに5人揃えてチャレンジしたり、最初からひとりでチャレンジしたり、回復役なしでチャレンジしたりもできる。戦闘中に使用できるアイテムは1キャラにつき2個までなので、回復役なしのプレイはかなり厳しい。「セスタニアの迷宮」では、罠の解除や隠し扉の発見など、シーフ能力がないと厳しい部分があるので、シーフ役なし縛りもおもしろいだろう。
「モンスターの視線が外れているときを狙ってすばやく移動する」など、シンボルエンカウントを利用して危険地帯を突破できるシステムもおもしろい。このとき「ダッシュすると足音が高くなって発見されてしまう」というのもアイデアだ。こっそりと移動するスリルを楽しむことができる。本当に危険なモンスター相手以外はダッシュで一気に突破してしまえば問題はない。
迷宮内の仕掛けの謎解きなども手強くておもしろい。ストーリー性が若干薄いことや戦闘がやや単調なことが筆者には気になったが、それを差し引いても、シンプルで気軽にプレイでき、それでいて歯応えのある、よくできたRPGだ。
(秋山 俊)