「自分の好みに応じたプレイヤーをユーザが作れる」という、まるで組み立てキットのようなソフト。もちろん特にカスタマイズしなくても、普通にプレイヤーとして利用できるのは言うまでもない。本文中でも紹介した通り、カスタマイズ方法には大きく二つあり、ひとつはプレイヤーに表示されているコンポーネントをいきなり置き換えてしまう方法。もうひとつが白紙のキャンバスにパーツをレイアウトする感覚で使える「Scratchbox」だ。
「foobar2000」でうれしいというか、ありがたいのは「プレイヤーでの再生中でもこれらのカスタマイズ機能を使える」ところだ。つまりコンポーネントの一覧を見ただけでは機能がピンとこなくても、とにかく割り当ててみればどういうものかがすぐにわかる。「いったんレイアウトモードを抜けてプレイヤーに戻ってから確認する」といった手間も不要だし、英語版という弱点を十分に補ってくれる。
今回の記事では本体のみで確認を行っているが、コンポーネントの追加で、さらに機能を拡張できるのも特徴だ。
カスタマイズ関連以外でも、ファイル管理、タグ編集、フォーマット変換(形式によっては外部エンコーダが必要)といった機能を備えているが、これらはメインメニューやツールバーには表示されない。プレイリストやアルバムリストでトラックを選択し、右クリックしないと存在自体がわからないので、この点は要注意だ。
Preferences画面ではコンテキスト(右クリック)メニューのカスタマイズが可能で、不要なコマンドは非表示にしてしまうこともできる。そのほかにもキーボードショートカット(ホットキー)の割り当てや、メディアライブラリ用フォルダの指定、シェル拡張の設定などもあり、外観にとどまらず、ユーザインタフェース全体でのカスタマイズが可能。お仕着せのプレイヤーに飽き足りなくなってきたコアなユーザには大きな魅力だろう。
(福住 護)