表計算ソフトのデータなどから、簡単な操作で3Dグラフを作成できるソフト。インストールは不要で、USBメモリなどで持ち運んで使える。「リニアングラフ3D」は、3次元座標の数値データを読み取り、3次元グラフ空間にプロットするグラフ作成ソフト。学術用途に使える。点プロットや直線プロット、面プロットなど、さまざまな形式の3次元グラフを描画することが可能。静止画グラフだけでなく、複数点のプロット過程を表示したり、時間経過によって変化するグラフ形状をアニメーション表示したりすることもできる。高画質描画エンジンを搭載し、粗いデータからでも美しいグラフを描画することが可能。Java言語で記述され、OSを問わず、さまざまな環境で実行できる。
グラフ描画のためにデータを読み込ませるには、いくつかの方法がある。まず、X、Y、Zの座標値が直接記述されたファイルを読み込ませる方法。座標値による指定は、Excelなどの表計算ソフトやC++、BASIC、Fortranといったプログラムで計算された結果をグラフ化するのに向く。表計算ソフトで出力されるカンマ区切り(CSV)やタブ区切り(TSV)ファイルに対応し、手軽にグラフを作成できる。
座標値を指定するのではなく──一般的な数学ソフト同様──数式を指定してグラフ描画を行うことも可能。「z(x,y)=式」とした場合の「式」を指定する。加減乗除のほか、対数や三角関数など、関数電卓で利用できるような関数の多くに対応し、かなり複雑な数式もグラフ化することができる。
さらに複雑な処理を行いたい場合は、プログラミングで作成されたファイルから3Dグラフを作成することも可能。C言語ライクな文法を持ち、「リニアングラフ3D」との連携機能を備えた独自プログラム言語「VCSSL」を使う。繰り返し処理や分岐処理、計算結果の数値プロットのほか、「リニアングラフ3D」のプロットモードの変更などの操作も行える。
グラフの描画では、ドットプロットやラインプロット、面プロット、Z値に応じたグラデーション表示、等高線表示、メッシュ表示といった、さまざまなオプションを指定できる。面表示では、陰面消去のほか、半透明表示による陰面表示を利用することも可能。X、Y、Z軸にも、単純な軸表示だけから目盛り線や目盛りラベル、グリッド表示などまで、多彩なオプションが用意されている。リニア軸表示や対数軸表示にも対応する。
描画されたグラフは、マウスドラッグで見やすい方向に自由に回転、拡大・縮小することができる。描画過程をアニメーション化したり、時間経過によってグラフ形状が変化するような場合には、時間経過に沿ったアニメーション表示を行ったりすることも可能だ。