「とにかく簡単にタグを設定できればOK」という人にも、「とことん細かく編集して完璧なライブラリ作りを目指す」という人にも、どちらにもお勧めできる二面性が特徴。タグ編集中のリストからプレイリストを作成したり、ファイルの一覧をいろいろな形式で保存できたりなど、ライブラリ管理の効率化という点でも大いに役立ちそうだ。インターネット上のデータベースやAmazonなどからタグを取得してくれるのも便利だが、それにもまして、タグの変換機能に魅力を感じるユーザも多いだろう。簡単なところでは、タグが未登録のファイルにファイル名を利用してタイトルをつけたり、逆にタイトルタグをもとにファイル名をつけたりできるし、編集可能なタグの項目(フィールド)は、ここでは書ききれないくらい膨大だ。さらには、文字列処理用の関数(len/left/midなど)や条件判断用の関数といったものまで用意されているのには恐れ入る。
アクションコマンドはスクリプトによる自動処理機能に相当し、大文字/小文字の変換や用語の表記統一(例えば“Mc”という文字を“MC”に変換したり、“Dj”を“DJ”に変換したりできる)、ドイツ語やフランス語で使われる綴り字記号の置き換えといったコマンドがあらかじめ登録されている。
そのほかにも「アクション(クイック)」では、フィールドの削除や重複フィールドの統合、テキストファイルの読み込み、正規表現による文字列置換など、15の機能を利用できる。
「無原則に割り当ててきたタグを体系的に整理し、ミュージックライブラリをより充実させたい」という方にはぜひお勧め。「これからライブラリ作りをはじめたい」という人も「Mp3tag」でスタートしておけば、あとあと楽になりそうだ。
(福住 護)