ソフトを開発しようと思った動機、背景
「Kinza」を開発しようと思ったのは単純な思いからでした。世の中にたくさんのブラウザがある中で「イチからユーザの要望ベースで開発するブラウザ」を作りたいと思ったからです。でも実際はとても難しい話で、ブラウザの開発者はいつも何か複雑な問題に悩まされていて、その解決に多くの時間を割いていることでした。そこで私たちはオープンソースに力を借りて、ユーザからの要望に応えることに集中する必要がありました。数あるオープンソースの中で「Chromium」をベースとする選択をしました。「Google Chrome」という圧倒的なシェアを持つブラウザも「Chromium」がベースとなっています。
純粋な「Chromium」自体もすばらしいブラウザです。「IE」「Firefox」「Safari」といったブラウザより後発なので、それぞれのよいところを取り入れられたり、悪いところが改善されたりしています。でも、オープンソースであるがための苦労もたくさんあります。ユーザが強く要望していることであっても、多数決で無駄だとされたり、開発に強い影響を持つメンバーの意向でものごとが決まったりもします。そこで、私たちが利用者の望む機能を「Kinza」で実装することができたなら、これほどうれしいことはありません。
また、国産であることにも注目してほしいです。「Chromium」の派生ブラウザはたくさんありますが、ほとんどが海外製です。そのため言語の壁があって、要望は出しにくかったと思います。「Kinza」は日本語でサポートしていますし、いつも仕事で忙しい日本人ならではといった機能も理解することができます。
開発中に苦労した点
「Chromium」は英語圏で開発されているため、日本語のドキュメントが少ないということがありました。実は私もあまり英語は得意ではないのですが、「Chromium」から国産のものを作りたいという思いでプログラミングを勉強しながら、英語も勉強しています。ただ、継続しているうちに、最近ではそれが少し楽になったような気がします。
ユーザにお勧めする使い方
いまお使いのブラウザに満足する方も、ぜひ、一度使ってみてほしいです。「Google Chrome」に近しいインタフェースでありながら、かゆいところに手が届く機能があることに気づくはずです。また、何か感じたことがあれば、私たちが運営する掲示板(http://bbs.kinza.jp/)に投稿してください。あなたの要望した機能が実装されるかもしれません。
今後のバージョンアップ予定
「Kinza」で実装されている機能の多くは、ユーザからの要望で作られました。今後もみなさまのご意見から新機能の開発や改善を行ってゆきます。「Chromium」本体の更新にも追従していきたいと思っていますので、ぜひ、今後の「Kinza」にご期待ください。
(Dayz)