ロシア生まれのソフトだが、幸いきちんと日本語化されているので、言語設定をしてしまえば、特に問題なく使える。むりやり翻訳したような違和感がなく、自然に使えるのはありがたい。搭載された機能はかなりユニークで、これまでメディアプレイヤーでは見たこともないようなものが詰まっている。なかでも筆者がおもしろいと思ったのは、動画上のブックマーク機能や拡張プレイリストだ。
ブックマーク機能は、動画の任意の位置(時間)を簡単に呼び出せるようにしたもので、ひとつの動画の中にいくつもブックマークを登録しておき、必要なところだけを簡単に呼び出せる“頭出し”機能。プレイリストにツリー状に表示されるほか、タイムライン上の右クリックでポップアップするメニューからも利用できる。
拡張プレイリストは、プレイリストの画面をメイン画面から切り離したもの。例えば「マルチモニタを使用した動画プレゼンテーションで、操作しているところを見せないようにする」といった用途が想定されているようだ。なぜだかよくわからないが、せっかくのブックマークは拡張プレイリストにはどうやら表示されないようで、この点はちょっと惜しい気がする。
キャプチャ機能もかなり凝っている。単なる1フレームのキャプチャだけでなく、複数のフレームを切り出して、それぞれ別の静止画として保存したり、1枚の画像の中に複数のサムネイルを並べたコンタクトシートを作成したりできる。これらの機能を使って、例えば「素材動画の内容を要約した文書ファイルや画像ライブラリを作成するといった使い方」も可能だろう。プライベートなマルチメディア鑑賞に限らず、より幅広い用途での可能性を感じさせてくれるソフトだ。
(福住 護)