複数のタブをグループ化して管理できるWebブラウザ。複数階層のグループ化にも対応する。「Tungsten」は、Google Chrome/Chromiumが採用するBlinkエンジンとIEコンポーネント(Trident)のダブルレンダリングエンジンを搭載したタブブラウザ。メイン画面を構成するのは、アドレスバーと絞り込まれたツールボタン、画面左上のスタートメニューとクイックスタートボタン程度。シンプルなデザインで使いやすい。アドレスバーでは検索を行うことも可能。Blinkエンジン使用時にはChromiumの拡張機能も使用できる。ブラウザ設定や作業状態などのバックアップ/リストア機能もある。スキンにも対応し、簡単に外観を変更できる。
大きな特徴のひとつが、複数階層に対応したタブのグループ化機能。タブブラウザのグループ化機能は一般的に、複数のタブをグループにまとめることことはできても、あるグループの中にさらに別のグループを含ませる階層管理には対応していない。
「Tungsten」では、複数のタブをグループ化できるのはもちろん、タブグループの階層管理を行うことも可能。例えば「社内」「社外」というタブを作成し、「社内」の下にはイントラネット内のサイトを登録。また「社外」の下にはさらに「仕事関連」「一般ニュース」といった別のグループを作り、それぞれに別のタブをまとめるといったことができる。タブのグループ化は、あるタブを別のタブにドラッグ&ドロップするだけで行える。
現在の作業状態や履歴、ブラウザ設定などを保存(バックアップ)し、あとで読み込んで(リストア)作業を再開することも可能だ。
レンダリングエンジンはBlinkとTridentの二つを搭載する。HTML5などへの準拠度が高く、高速なBlinkと、イントラネットや公的サイトなどで標準とされるTridentの双方を搭載することで、広範囲なWebページを表示することが可能。レンダリングエンジンの切り替えはツールボタンをクリックするだけ。エンジンはタブごとに切り替えることができる。
URLを入力・表示するアドレスバーは、検索機能と統合されている。httpからはじまるURLを入力すればそのままページが表示され、それ以外ではGoogleカスタム検索が行われる。検索結果画面では、画像検索やGoogleマップ表示、Googleカレンダー、Yahoo!路線情報などへの独自の切り替えボタンが表示され、使い勝手がよい。
お気に入り(ブックマーク)では、「Tungsten」独自に管理するもののほか、Internet Explorer、Firefox、Google Chromeのお気に入りを参照することが可能。ほかのブラウザの(その時点の)お気に入りをインポートするのではなく、ほかのブラウザのお気に入りをそのまま利用できる。さらに、よくアクセスするページはスタートメニュー右側のクイックスタートボタンに登録しておけば、ワンクリックで当該ページにアクセスできるようになる。
オープンソースブラウザ「Chromium」向けの拡張機能を利用することも可能。クラッシュ時に直前の状態を復元する機能や、タブ画面の上下/左右分割機能なども搭載する。