ハマったら途中で止められない“熱い”シミュレーションRPG。次から次へと新たな展開が押し寄せ、先を予想させない怒濤のストーリーが絶品だ。ゲームの出だしは、アメコミ風のヒーローが自らの星を敵に侵略され、地球に危機を知らせるために一人脱出するというありがちな展開。地球側での展開も最初の数話は定跡通りといってよい。このまま普通に地球のヒーローと宇宙のヒーローが一致団結して侵略軍と戦うのか……と思っていたらそうではない。この序盤を越えてからこそが「EXTRAPOWER ATTACK OF DARKFORCE」の真骨頂だ。
改造人間、魔法少女や忍者の一族、ベムに寄生されたベムマン、ただひたすらに戦闘のみを求める狂気の魔法使いたちなどなど、地球上のありとあらゆるヒーローや秘密組織のメンバーがそれぞれの思惑を秘めたまま侵略軍と戦ってゆく。ヒーローたちと敵対していた悪の組織側も同様。地球侵略軍を意識し、利用できないかと画策しつつも、本来の目的を果たすべくヒーローとの戦闘を継続する。
つまり、「宇宙からの侵略者の登場により、本来であれば決して交わることなくそれぞれの暗闘を繰り広げていた数多のヒーローと悪の組織がクロスオーバーして戦わざるを得なくなってしまった」というコンセプトだ。ヒーロー物好きの人間であれば、燃えないわけがない! 次から次へと現れるバラエティに富んだ新たなヒーローたち。予想を裏切る意外な展開の連続。絵柄やストーリーに多少クセはあるかもしれないが、魅力に満ちあふれた、間違いなくお勧めできる作品だ。
(秋山 俊)