お絵描きソフト感覚で物理法則を体験できるシミュレータ。自由に描いた図形に、素材の情報(物性)や力の向き、量などを設定することで、「どのような動きをするか」を視覚的に理解できる。「Algodoo」は、「画面上に描いた物体が実際にどのような運きをするのか」をアニメーション化し、再現してくれる物理シミュレータ。ドローソフト風の操作で図形を描き、図形に対して力を加えることで、どのように運動するかをアニメーションで再生する。ステップバイステップ形式のチュートリアルが用意され、実際に操作や再生を行いながら学習することが可能。多数のサンプルが付属するだるだけでなく、ほかのユーザが作ったサンプルをダウンロードして再生することもできる。
「Algodoo」で作成するドキュメントは「シーン」と呼ばれ、シーンの中にさまざまな物体を描くことで、「物体がどのような動きをするか」を規定する。シーンは三次元空間を横から見た形になっており、画面の上下がそのまま空間の上下となる。
利用できる描画用ツールはボックス(矩形)、サークル(円)、ブラシといったグラフィックソフト風のものに加え、物体を動かないようにするための固定ツール、コイルスプリングの特性を持つバネツール、回転軸ツール、チェーンやロープを描いて物体同士をつなぎ合わせるツール、歯車ツールなど、多彩。
さらに、オブジェクト描画用のほかにも、地面を描くツール、オブジェクトの位置を動かしたり、回転させたりするためのツール、物体を引っ張って動きを与えるツール、物体をカットするためのツールといったものも用意されている。
これらのツールを使って画面上に図形を描き、シミュレートを開始すると、まだ何も設定していないため、重力のみが働き、すべての物体が落下して再生が終了する。地面が描かれている場合、物体は地面に落ちたあと、反動で跳ね上がるなど、物体の形状や特性に応じた動きを見せる。さらにドラッグツールでシーン上の物体を動かすことで、オブジェクトを投げたり、押したりすることもできるようになっている。
配置したオブジェクトの形状を変更したり、空間上に固定したり(落下しないようにする)、回転軸を付けたりといった編集を行うことで、複雑な運動を再現することも可能。物体の性質(物性)として、木材、ガラス、氷、石、ゴムといった素材を指定したり、色や透明度を設定したり、力の向きや速度をわかりやすくするための表示オプションを指定したりもできる。
物性は素材に応じて、密度や摩擦・反発などの係数を設定することが可能。物体の質量は、描いたオブジェクトの大きさと素材から決定される。これらのプロパティはユーザが任意に調整することもできる。