“定番”マルチメディアプレイヤー「PowerDVD」シリーズの新バージョン。上位版「Ultra」では、次世代動画圧縮規格「H.265/HEVC」に対応した。「PowerDVD」は、Blu-ray/DVDなどのディスクメディア、各種動画ファイル、ネットワークメディアサーバ上の動画データなど、さまざまな映像・音楽ソースを再生できるマルチメディアプレイヤー。新バージョン「14 Ultra」では、H.264/AVC(Advanced Video Coding)の後継規格で、より高画質なH.265/HEVC(High Efficiency Video Coding)に対応したほか、サイバーリンククラウドの10GB・1年間無料利用権が付属し、クラウドを使ってメディアを簡単に管理できるようになった。さらに「ピン留め」機能により、YouTubeのオフライン再生も可能になった。
YouTubeとの連携では(従来から搭載されていた)YouTube上の動画を直接再生する機能に加え、YouTube動画のオフライン再生機能が装備された。「PowerDVD」上で一覧表示されたYouTube動画のサムネイルの中から、視聴したいものを「ピン留め」することにより、自動的にダウンロード・再生を行える。ピン留め後にダウンロードが終了してしまえば、ネットワーク接続されていない状態でも動画を再生できる。
ピン留めした動画は、待ち時間なしですぐに再生でき、さらに「PowerDVD」の持つ特殊再生機能──例えばスローモーション再生やコマ送り再生──にも対応するなど、使い勝手がよい。
スマートフォンで撮影した写真や動画を、サイバーリンク社が提供する「サイバーリンククラウド」にアップロードすれば、スマートフォンからパソコンにファイル転送しなくても、「PowerDVD」で再生することが可能。スマートフォン対応のアプリによって撮影後、自動的にアップロードするようにもできる。もちろん、パソコンからサイバーリンククラウドへのデータアップロードも可能。屋外や外出先などでスマートフォンを使って動画を視聴することができる。
新たに再生に対応した「H.265/HEVC」は、現在使われている「H.264/AVC」の約2倍の圧縮率を実現したHD向けのコーデック。「PowerDVD」では、前バージョン「13」ですでに4K動画の再生に対応済みだが、オーバーフルHDの動画には今後、H.265が使われることが予想される。「14 Ultra」ではいち早く対応した。
オーディオコーデックでは、新たにAppleロスレスに対応。さらに、Windows内でデジタルミキサーを経由しないWASAPI排他モードでの再生にも対応した。動画中の音声データをSPDIFやHDMI経由でパススルー出力することも可能で、外部AV機器とも連携しやすい。
ネットワーク経由での再生機能は前バージョン同様、充実している。DLNAはサーバ/クライアントともに対応し、DLNA対応NASなどの外部機器上のデータを「PowerDVD」で再生できる。「PowerDVD」が管理する動画や静止画、音楽などを外部DLNA機器で再生することも可能。著作権保護技術・DTCP-IPにも対応し、レコーダで録画されたデジタル放送番組なども「PowerDVD」上で再生できる。パソコン上の動画をスマートフォンやタブレットなどで再生するための専用プレイヤー「Power Media Player」を無料で利用することも可能だ(Android/iOS/Windows 8アプリ版)。