Webサイトへのログオンやフォームへの入力を安全・快適に行えるようにするパスワード管理ソフト。Internet Explorer、Firefox、Google Chrome、Safari、Operaの拡張機能として動作する。「LastPass」は、パスワードの一括管理機能やフォームへの自動入力機能を備えたWebブラウザ用アドオンソフト。Webページでのアカウント認証やオンラインショッピングでのフォーム入力の手間を省くと同時に、クラウドとの連携により、サイト利用時に必要な個人情報を安全に管理できる。
インストール時にブラウザを指定することでプラグインが組み込まれ、ツールバーの「LastPass」ボタンから機能の開始・停止や管理ページ(Webサービス)の呼び出しなどを行える仕組み。Webブラウザをはじめ、パソコン内に設定されているパスワードや、さまざまなパスワード管理ソフトのデータをインポートすることも可能。インストール時に自動実行されるほか、任意に起動することもできる。
「LastPass」を利用するには、ブラウザのツールボタンをクリックし、マスターパスワードを入力してログインする。ログイン後に、アカウント認証が必要なWebページにアクセスすると、IDやパスワード用入力フォームの右端に「*」のアイコンが現れ、「LastPass」が利用可能な状態であることが示される。さらにブラウザ上には、パスワードを「LastPass」で管理するように勧めるメッセージも表示される。
一度情報を登録すると、以降は当該ページへアクセスするたびに自動でID/パスワードなどがログインフォームにセットされ、入力操作の手間を省ける。複数のアカウントを使い分けているページにアクセスした場合は、マッチする候補が表示される。
サイト情報には管理上の名称、ページのアドレス、ID、パスワードを登録しておけるほか、メモを登録したり、パスワードの履歴を閲覧したりすることも可能。オプションでは自動ログインの指定や、逆に自動入力をしないといった指定も可能だ。
サイト情報はグループで分類することが可能。「LastPass」のポップアップメニューにはグループごとにサブメニューが表示され、サブメニューからページを選択すると、アクセスからログインまでが自動実行される。グループは任意に作成することが可能。ブックマークをフォルダごとに整理するのと同じような感覚で使える。
サイト情報以外にも、名前、住所、メールアドレス、クレジットカード番号、銀行口座などの個人情報も登録しておける。これらの情報は「フォーム記入プロファイル」と呼ばれるセットとして管理される。利用するサイトに必要な情報だけを登録したプロファイルを複数作成し、使い分けられるようになっている。
さらに「アイデンティティ」単位で管理することも可能。登録済みのサイト情報や「フォーム記入プロファイル」をまとめてセットにしたもので、例えば「プライベート用の情報とビジネス用の情報とをグループ分けする」といった使い方ができる。
「アイデンティティ」で「すべて」を選択している場合、登録しているすべてのサイト情報や「フォーム記入プロファイル」を自由に利用できるが、例えばビジネス用のアイデンティティを使用しているときに、個人用のサイトにアクセスしても自動入力機能が働かなくなる。
このように、個人情報を用途に応じて分離することで、間違ったアカウントでログインしてしまったり、不用意に個人情報を書き込んでしまったりといった失敗を減らすことができる。
「アイデンティティ」の切り替えには安全性が求められるため、マスターパスワードの入力が(すでにログイン中であるにもかかわらず)求められる。
そのほかにも、
- 重要な情報を(「フォーム記入プロファイル」とは別に)記録できる「セキュアノート」
- パスワード生成
- パスワードデータのインポート/エクスポート
- 登録済みWebページの検索
- サイト情報やセキュアノートの印刷
- 登録情報を検査し、パスワードの強固さや重複利用などから安全性を判定する「セキュリティチャレンジ」
といった機能を搭載する。「セキュリティチャレンジ」では、登録されたメールアドレスが、過去に発生したセキュリティ侵害に関連して使用されていないかどうかをチェックすることもできる。