「写真集のページをめくるような感覚で画像を閲覧できる」という点が大きな特徴。なので、デスクトップにウィンドウの形で表示するよりは、余計なものがない全画面表示で画像をめいっぱい大きく表示して楽しむのがよいだろう。ちなみにウィンドウの最大化と全画面表示は別物だ。全画面表示だとツールバーは自動的に隠れて、必要になったらマウスポインタを画面上端に近づけるとポップアップする(オプションで常時表示も可能)ので、画面サイズをフルに表示に使える。
一方、単にウィンドウを最大化しただけだと、ウィンドウの枠やメニューバーは表示されている。ホンのちょっとした差だが、画像を楽しむ上ではやはり全画面表示の方がよい。
フォルダ内の画像を順番に切り替えてゆくので、縦置き画像が奇数枚だと見開きの感覚がちょっと薄れる。例えば、縦置き画像が3枚続いたあとに横位置の画像があると、1枚めと2枚めの縦置き画像は見開き風に表示されるが、3枚めは単独で表示され、次に4枚めの横位置画像となる。つまり、縦置き、横位置画像がランダムに保存されたフォルダ内を閲覧するよりは、意図的に画像の並びが編集されていた方が、より書籍っぽい気分が出る。
そういう意味では、セレクトした画像を写真集風に楽しむとか、自炊した電子書籍を読むのに適したソフトだといえる。アプリケーション名が「Viewer」や「Browser」でなく「Reader」となっているのも、こうしたコンセプトの表れだろうか。
(福住 護)