「キャラミん Studio」は、いろいろな説明を読む前に、とにかく使っていただきたい。本当にわずか数分で、このソフトのものすごさがわかるはずだ。とにかく音楽ファイルさえ用意すれば、あとはユーザが何をせずとも動画が完成する。しかも、きちんと“見られる”ものになるのだから驚きだ。最大の特徴は「『すでにある部品』を組み合わせて、動画を作成できる」点にある。キャラクタは最初から「キャラミん Studio」に収録されているし、そのキャラクタを躍らせる「モーション」も200種類以上が用意されている。さらにはカメラワークや背景なども豊富で、実際、このソフトはそれらを元の曲に合わせて、適切に組み合わせるだけで動画を作り出しているのだ。
「VOCALOID」で作成された楽曲に合わせて3Dキャラクタをダンスさせるソフトといえば、「MikuMikuDance(MMD)」が“定番”として知られる。「MMD」が、キャラクタそのもののモデリング、キャラクタの動き、カメラワークといったすべてをユーザが細かく設定できる、いわばすべての部品を自作できる精密模型を作成するソフトであるのに対して、「キャラミん Studio」は、レゴブロックのような“組み合わせの妙を楽しむ”ソフトだといえるのではないだろうか。
もちろん「キャラミん Studio」でも、モデリングソフトを使ってキャラクタを自作したりといった楽しみ方ができないわけではない。ただ、そこまで凝るのなら、そもそも「MMD」を使えばよい。「キャラミん Studio」は、「とにかく手軽に手っ取り早くダンス動画を作成したい」という人にぴったりのソフトだ。
(天野 司)