相対パスの指定により、ファイルを一括コピー/移動できるソフト。現在のパスを起点に、「1階層上のフォルダ」のような形でコピー先を指定できる。「AbRelCopy」は、複数のファイル/フォルダを対象に一括コピー/移動を行えるソフト。異なるフォルダにばらばらに存在するファイル/フォルダすべてに対し、「現在のフォルダより1階層上へ移動する」といった操作を行える。コピー/移動先の指定方法は、
- 絶対パス、相対パスのいずれかを選んでボタンで指定
- テキストボックスに直接入力
を使い分けられる。コピー/移動先をボタンで指定した場合も、直接入力時に使用するテキストボックスに設定内容が表示される仕組み。希望通りのパスにセットされているかどうかを事前に確認できる。相対パスによる指定では、「上のフォルダ」「n階層上と同名フォルダ」「『任意名』フォルダ」の三つボタンを使い、目的のフォルダを指定する。絶対パスによる指定では、ドロップダウンリストとボタンを使って、ドライブ名を選択する(「上のフォルダ」ボタンは使用不能になる)。「n階層上と同名フォルダ」「『任意名』フォルダ」は、相対パスによる指定と同様だ。
相対パス、絶対パスいずれの場合も、「の」「に」の二つのボタンにより、複雑なパス指定を行うことが可能。「の」ボタンは「上のフォルダのさらに上のフォルダ」というように、階層の指定を数回繰り返す場合に使う。「に」ボタンは階層の指定が完全に終わり、パスが確定した場合に使用する(このため、最終的に「に」ボタンが押されない限り、「コピー(移動)実行」ボタンが有効にならない)。
これらのボタンを組み合わせることにより、例えば相対パスによる指定では、
- 現在のフォルダを起点に、「上のフォルダ」の「上のフォルダ」の「上のフォルダ」にコピーする
- 現在のフォルダの下に任意の名前で作成した新しいフォルダに移動する
- 「上のフォルダ」の「上のフォルダ」の「上のフォルダ」に、1階層上と同名のフォルダを作って移動する(階層を移す)
また、絶対パスによる指定では、- Dドライブのルート下に「現在の1階層上と同名のフォルダ」を作ってコピーする
- Dドライブのルート下に任意のフォルダを新規作成し、現在のフォルダの2階層上と同名のフォルダを作って移動する
といったことを行うことが可能だ(これらはあくまでも一例。組み合わせにより、実際にはさらに複雑な指定も可能)。パスをテキストボックスに直接入力する場合は、ファイルの作成年月日や更新年月日、拡張子、上位のフォルダ名(10階層まで)などをメタ文字で指定できる。
コピー/移動元となるファイル/フォルダは、リストへのドラッグ&ドロップで登録する。元のフォルダがひとつである必要はない。さまざまな場所に分散しているファイル/フォルダを一括処理できる。コピー/移動先が相対パス指定であれば、元ファイルの現在位置を基準としてそれぞれの処理を行い、絶対パス指定であれば、すべてのファイルが共通の目的フォルダにまとめられる。
対象ファイルリストには「現在のパス」「新しいパス」「ファイルサイズ」「更新日時」の各フィールドが並び、項目名のクリックで並べ替えることが可能。「新しいパス」フィールドには、パス設定にもとづいて実際のコピー/移動先となるパスが表示されるため、実際にどのパスにコピー/移動されるかもわかる。
コピー/移動先に同名のファイル/フォルダが存在する場合は、該当する行(パス)がリスト上で赤く変化し、「同名ファイルがすでに存在しています」というメッセージが表示される。相対パス指定で「上のフォルダ」が存在しない場合も、該当行が赤くなり、「これより上にフォルダがありません」と警告されるようになっている。
そのほかにも、
- コピーまたは移動のどちらかを選択
- リストにフォルダをドロップした場合、フォルダ自体またはフォルダ内のファイルのどちらを登録するか
- 目的フォルダが存在しない場合は作成する
- 同名のファイル/フォルダがある場合は上書きする
- 対象ファイルリストの列幅を自動調整する
- 処理実行後、リストの内容を保持する
といったオプションを選択できる。