エクスプローラにタブ機能を追加することで、複数のフォルダを切り替えながらの操作が格段に便利になる。外観が「Chrome」そっくりなだけに、ふだんから「Chrome」を使いなれているユーザに違和感がないのはもちろんだが、そうでなくてもタブブラウザを使ったことがあれば、すぐになじめるはず。不要なタブをまとめて閉じたり、ドラッグでタブの順番を入れ替えたり、ウィンドウ外にドロップして、新しいウィンドウを開いたりといった便利な操作も「Chrome」そのままだ。
使いこなしの上でちょっとだけ気をつけたいところとして──ちょっとややこしい言い回しになってしまうが──「タブの範囲はウィンドウ全体である」という点を挙げておく。つまり、フォルダツリー部分が固定されていて、ファイル一覧の部分だけがタブ切り替え式なのではなく、フォルダツリー部分まで含めたドキュメントエリア全体がタブになっているということだ。実用上は気にならないという人も多いかとは思うが、「どのフォルダを選択していたか」や「どのサブフォルダを展開していたか」といったところまで切り替わってしまうので、最初のうちは少し注意した方がよいかもしれない。
タブとブックマークの関係も「Chrome」に準拠しているが、ブックマークバーのコンテキスト(右クリック)メニューからとは別に、タブ上でのコンテキストメニューからもブックマークに登録できるのは、より直感的でわかりやすい。
「Clover」のブックマークと、エクスプローラ本来の「お気に入り」とは別物だという点も覚えておくとよい(「エクスプローラのユーザインタフェースを『Chrome』風にする」という主旨を理解していれば誤解の心配はないだろうが、念のため)。
(福住 護)