Intel Mac上でWindowsアプリケーションをネイティブに動作させることができる互換レイヤ「CrossOver Mac」の新バージョン。「CrossOver Mac」は、Windows互換APIを利用して、Intel Mac上でのWindowsアプリケーションのネイティブ動作を可能にする互換レイヤ。Windows OSやドライバなどのインストールは不要。軽快に動作する。新バージョン「12」では、対応アプリケーションとして「ホームページ・ビルダー17」「一太郎2013 玄」「Jw_cad」が追加されたほか、画面表示とキーボード入力に使用されているX Windowシステム(X11)に代わるドライバとして、「Mac Driver」が試験的に実装された。MacグラフィックスAPIを直接操作するため、Windowsアプリケ―ションがMacアプリケ―ション並みの速度で動作するようになる。
「CrossOver Mac」では、Windowsのバージョン別に用意されたプログラムの実行環境「ボトル」内に、Windowsのアプリケーションをインストールする。インストール方法は、
- インストールしたいアプリケーションをリストから選択
- インストーラファイル(またはフォルダ)の場所を指定
- インストール先の「ボトル」を指定
- アプリケーションのインストーラが起動したら、アプリケーションで指示される手順に従う
というもの。インストーラはファイル/フォルダのほか、CD/DVDメディアを指定することも可能。CD/DVDメディアに含まれるAutorunによるインストールにも対応する。対応アプリケーションはリストにまとめられている。開発元(CodeWeavers社)が動作を確認している「サポートアプリケーション」のほか、有志のユーザが作成した「CrossTie」ファイルを利用する「未サポートアプリケーション」がある。CrossTieファイルは、CodeWeavers社のサイトに置かれている。アプリケーションを選択すると、必要なものが自動的にダウンロードされ、設定が行われる仕組み(日本語ソフトウェアのCrossTie(C4P)ファイル専用ページ)。
インストールされたWindowsアプリケーションは、「CrossOver」フォルダ内のサブフォルダに格納される(別フォルダの指定も可能)。起動ウィザード画面から「インストール済みのアプリケーションを実行」して、起動するアプリケーションを選択するか、Macアプリケーションと同様に、Finder上のアイコンをダブルクリックして起動する。
Windowsアプリケーションのウィンドウは、Finder上でほかのアプリケーションと同様に扱える。例えば、テキストのカット/コピー&ペーストなど、ウィンドウ相互のデータのやり取りもシームレスに行える。Mission Controlにも対応する。
MacのキーボードやマウスをWindowsアプリケーションで快適に使うために、キー/マウスのアサインを一部変更する機能もある。例えば、Macの1ボタンマウスに対応するため、Windowsの右クリックを【ctrl】+クリックに、中クリックを【command】+【ctrl】+クリックに割り当てたり、通常は【command】キーに割り当てられる【Alt】キーを、左または右の【option】キーに変更したりといった設定を行える。