外観も操作もシンプルながら、通常の使用には十分な機能を備えている。2TB以上のハードディスクやRAIDにも対応しているし、もちろんWindows 8にも対応済みだ。使い方では、ちょっとだけ注意したい点が二つある。まず、ひとつは「バックアップタスクを登録してから実行する」という流れではなく、初回のバックアップが終わった時点でタスクが登録されるということ。つまり、「先にタスクだけ登録しておいて。実行は後日」というわけにはいかず、まずは1回めのフルバックアップが完了するのを待たなければいけない。
フルバックアップが終わってしまえば、イメージファイルの検査や削除といった機能を利用できるようになるが、それまでは機能自体が表示されていないこともあり、余計にシンプルに感じられる。
増分バックアップや差分バックアップも、その存在自体、初回バックアップが終了して、タスクが登録されるまで、外観上はわからない。どんな機能があるかはヘルプとチュートリアルのページ(ともに英語)で確認しておこう。
もうひとつ注意したいのは、どうやらバックアップタスクの編集ができないらしいという点だ。編集用のコマンドが見当たらないので、バックアップ先のパスや圧縮、暗号化などのオプションを変更したくなった場合、新たにバックアップタスクを登録する必要があるようだ。設定自体はシンプルなので、新たにタスクを登録するのもそう手間ではないが、実はこれに関してはもうひとつポイントがある。
「AOMEI Backupper」にはスケジュールバックアップの機能がなく、実行はすべてマニュアル操作となる。つまり、実行スケジュールの変更という作業自体がないので、作成済みのタスクを編集できなくても、さほど困らないというわけだ。
スケジュールバックアップができないという点(あと英語版という点も)さえ割り切れれば、操作はわかりやすいし、フリーソフトながら、ドライブ交換などにも便利なクローンコピー、ファイル単位での復元が可能な仮想ドライブマウントといった機能も備えている。かなり魅力的なソフトだといえる。
(福住 護)