4K動画の編集にも対応した、高機能動画編集ソフト「VideoStudio」の新バージョン。「VideoStudio Ultimate」は、圧倒的な国内シェアを誇る動画編集+オーサリングソフト。初心者でも簡単に使える高い操作性と、プロユースにも十分に堪える多彩な機能とで高い評価を受ける。新バージョン「X6」では、フルHDを超える高解像度「4K動画」の入力・出力・編集に対応したほか、強力な色調補正フィルタ「NewBlue FX ColorFast」の追加、エフェクトアニメーション作成機能の大幅な強化など、数多くの機能追加・強化が行われた。上位版「Ultimate」と、一部機能の割愛された「Pro」がある。
エフェクト面(プラグイン)での強化点は大きく三つ。ひとつめは、筆記体の文字が書き順に従って画面上に描かれる「proDAD Handscript Animation」。筆記体ということで、使用できる文字は半角アルファベットや数字などに限られるが、利用範囲は広い。特にウェディングビデオなど、ちょっとおしゃれな感じのタイトルを作成する場合に最適。
二つめは、色調補正フィルタ「NewBlue FX ColorFast」。単に画像の明るさや色彩、色の濃さなどを変更するのではなく──ちょうど高機能フォトレタッチソフトの補正機能のように──画像の階調ごとに細かなパラメータを指定して、画像の全体的色調や濃さなどを制御することが可能。よりくっきりとした映像にしたり、さまざまな色調に変化させたりと、思い通りの加工を行える。セピア調など、よく使われるカラーエフェクトはプリセットされ、難しい設定が苦手な人でもすぐに利用できる。
三つめが、業界標準ともいえるタイトルアニメーション作成ソフト「Boris Graffiti 6」を搭載したこと。テレビのテロップなどでよく使われる、固定タイプのテキストエフェクトから、スタッフロール、タイプライタ効果、パスに沿ったテキストアニメーションなどまで、さまざまな効果を持つタイトルアニメーションを簡単に作成できる。
新たに「モーショントラッキング」が追加されたことも大きなポイント。あらかじめ動画内の一部を指定しておくと、指定部分が画面内で動いた場合に、動きに応じて画面内のオブジェクトも自動的に追随して動く。例えば、自動車を撮影した際、ある時点でナンバープレートにモザイクを指定すると、画面内で自動車が動いても、モザイク領域もそれに応じて追従する。従来は手動でムービングパスを指定する必要があっただけに、大きな機能追加だ。
新バージョン「X6」では、4K動画の編集に対応した。編集可能な最大サイズはテレビ放送やBlu-rayを大きく超える最大4096×2160pixel。人気の「GoPro」など、一部のビデオカメラで撮影できる超高解像度の動画を編集できるようになった。
「VideoStudio」シリーズは、従来から数多くのビデオカメラに対応していたが、「X6」では、対応範囲をさらにデジタル一眼レフカメラにも広げ、ストップモーション撮影などを行えるようになった。カメラ側でシャッター操作を行う必要はなく、撮影は「VideoStudio」で制御することが可能。デジタルカメラを使った映像作品を、より手軽に作れるようになった。
AVCHDでは、従来からの動画の取り込みに加え、編集済みの動画を、AVCHD機器で再生可能なSDカードに出力できるようになった。メニューナビゲーションや字幕、メニューなどを含むSDカードのオーサリングが可能になり、AVCHDカメラで動画を楽しんだり、AVCHDのSDカードを再生可能な機器上で編集済み動画を楽しんだりできる。
前バージョン「X5」で搭載された、デスクトップ画面の録画機能「スクリーン録画」では、フレームレートを選択できるようになるなど、数多くの機能が追加・強化され、従来以上に使いやすい動画編集ソフトに仕上がっている。