デジタルハイビジョン放送やBlu-ray Discの普及により、テレビやパソコンにおける動画再生はフルHD解像度(1920×1080)に対応することが当たり前となった。だが、このフルHD解像度もとうとう「上限」の座を退くことになりそうだ。フルHDを超える解像度が一般ユーザでも実用範囲に入りつつあるからだ。例えば動画ソース。最近流行の「ウェアラブルカメラ」の代表ともいえる「GoPro」シリーズでは、最上位機種で4K解像度の動画を撮影できる。4Kでは12fps、4K Cinemaでは15fpsとフレームレートはまだ低いものの、2.7K Cinema解像度であれば、30fpsでの撮影も行える。最上位機種といっても、5万円もしない価格で買えるカメラでこの機能は驚きだ。高画質撮影が可能なデジタル一眼カメラでも、オーバーフルHD撮影ができるようになるのは時間の問題だろう。
表示装置の面では、家庭用の液晶テレビで4K表示が可能なものがすでに登場している。低価格化が進んだフルHDテレビに比べればまだまだ高価だが、普及が進めば低価格化は進むだろうし、パソコンに関していえば、WQHD(2560×1440)解像度の27インチディスプレイも普及が進む。スマートフォンでさえ、すでにフルHDが当たり前の解像度になりつつあることを考えると、フルHDを超える解像度を持つスマートフォンの登場でさえ、そう先のことではないかもしれない。
ハードウェアがここまで進化すると、求められるのはソフト面、特に映像再生ソフトの対応だろう。「PowerDVD 13 Ultra」は、まさにその先駆けともいえる存在だ。
機能面では、やはりBlu-rayやフルHD解像度をさらにアップスケーリングする「TrueTheater HD」に注目だ。いくらハードやソフトが揃っても、再生すべき映像ソースがなければ意味はない。前出のオーバーフルHDカメラで撮影するという手もあるだろうが、自分で撮影するだけでは映像ソースも限られる。Blu-ray動画をはじめとした、フルHD動画であっても、これを超える高画質で再生できるのはうれしい。
モバイル機器との連携なども興味深い機能だが、オーバーフルHD再生機能は、これらに対応する表示機器を持っている人にとっては、特に興味をそそられるはずだ。
(天野 司)