フルHD解像度を超える高精細「4Kコンテンツ」の再生にも対応した「PowerDVD」シリーズの新バージョン。追加された新機能は60を超える。「PowerDVD」は、Blu-rayやDVDといったディスクメディア、各種動画ファイル、ネットワークメディアサーバ上の動画データなど、さまざまな映像・音楽ソースの再生に対応したマルチメディアプレイヤー。新バージョン「13」では、フルHDを超える高解像度の動画再生に対応したほか、スマートフォンやタブレットといった、パソコン以外の機器での再生を可能にした「クロスプラットフォーム」を実現。動作速度の向上なども図られた。
新バージョン「13」の目玉のひとつが「超高解像度再生」。「PowerDVD」シリーズを含む多くのソフトが従来、上限としていたフルHD解像度(1920×1080)を超える解像度(4K)の動画を再生できるようになった。3840×2160のほか、2704×1624、2704×1440の解像度の動画も再生できる。
さらに、画質改善技術「TrueTheater HD」により、フルHDの映像ソースをアップスケーリングして、フルHD超の解像度で再生できるようになった。従来バージョンでは、フルHD未満の動画をフルHD解像度にアップスケーリングして再生することはできたが、今回はフルHDからフルHD超へのアップスケーリングに対応した。
「TrueTheater」技術には、アップスケーリングのほかにも、輝度補正や色調補正、シャープネス改善などの補正機能もあるが、これらもフルHD映像に適用できるようになった。通常の動画ファイルのほか、Blu-ray Discの再生時にも適用できる。
もうひとつの目玉が、パソコン以外のデバイスと連携できる“クロスプラットフォームプレイヤー”であること。iPhone/iPadなどのiOS機器、Android機器、あるいはWindows 8/Windows RT機器などに対応する専用アプリ「PowerDVD Mobile」を使用して、パソコンにインストールされた「PowerDVD 13 Ultra」と連携できる。モバイル機器からの操作で「PowerDVD 13 Ultra」を制御し、
- パソコン内の動画データをネットワーク接続されたDLNA対応機器で再生する「プッシュ再生」
- パソコンからモバイル機器に動画データを変換・転送し、モバイル機器で再生する「パソコンとモバイル機器の同期」
- 複数のモバイル機器間での動画や音楽の共有
などを行うことが可能。プッシュ再生では、「PowerDVD 13 Ultra」がDLNAサーバとなり、ネットワーク内のDLNA表示機器にデータを転送する。「PowerDVD Mobile」はコントローラの役目を果たす。パソコンと「PowerDVD Mobile」との同期では、動画データの転送時に、自動的に「PowerDVD Mobile」で再生可能な形式に変換される(動画データの複製をともなうため、Blu-rayなど、著作権保護された動画がそのままスマートフォンなどに転送・再生できるようになるわけではない)。ユーザインタフェースも一新された。タッチ機能を搭載したパソコンの普及に合わせ、シネマモードのデザインはタッチ操作に最適化された。さらに、フルHD超の高解像度画面での使用を考慮し、操作画面の表示やライブラリでのサムネイル画像の表示を、画面解像度に合わせて自動拡大する機能を搭載。高解像度画面での操作性が改善された。加えて、新しい字幕エンジンの搭載により、字幕の表示位置、色、大きさなどをカスタマイズすることも可能。ユーザインタフェースのカスタマイズ機能も搭載され、「使用しない機能は画面に操作ボタンを表示させないようにする」など、用途に応じた設定を行えるようになった。
再生をコントロールするシークバーには、画像サムネイル作成機能がついた。一度再生したことのあるファイルであれば、シーク時に画像サムネイルが表示され、サムネイルを確認しながら、目的の位置にシークできるようになった。さらに、Blu-ray/DVDの再生時に、出画までの時間を短縮する「Instant Play」機能も搭載。従来バージョンに比べ、よりスピーディな再生開始が可能になった。特にBD再生では、BD-Liveなどの一部機能をスキップすることで、従来に比べて出画までの待ち時間が58%も短縮された。
対応する形式は、4K動画のほか、最大28MbpsのAVCHD 2.0、AVCHDプログレッシブ、AVCHD 3Dなど。音声ではロスレスオーディオ形式APEに対応した。