「MagRoleArrow」の機能は、前ページで説明した通りだが、この機能を必要とする人にとっては「どうしていままでこのソフトがなかったのか」と思えることだろう。一方でこの機能を必要としない人にとっては何のことだかわからない、まさに人によって「いる」「いらない」がはっきりと分かれるソフトだ。実際、たった一人で自分のパソコンだけを使っているのであれば、マウスの移動方向とカーソルの移動方向をずらす機能は単なる嫌がらせでしかない。正直「何かの罰ゲーム?」と思えるような機能だが、複数人でデスクトップを正面から見ることができない環境では、その便利さにすぐに気づくはず。特に対面の相手にデスクトップ画面を見せながらマウス操作する場合には、必須のソフトといえる。
使用する際には、ぜひとも「割当キー」を登録しておくことをお勧めする。というのは、機能が不要となり、正面からパソコンを使えるようになったときに相変わらず「MagRoleArrow」の機能が有効になっていると、まさにマウスの操作感覚が「罰ゲーム」のようになってしまうからだ。
開発履歴を見ると、2年半も前から開発を続けてきたそうだ(途中、開発データがすべて壊れ、ゼロから作り直している)。だが、筆者が思うに、まさに最近になって一気に活躍の場が増えたのではないだろうか。というのはWindows 8の登場により、キーボードを持たないスレートタイプや、セパレートタイプ、コンバーチブルタイプのパソコンが増えてきているためだ。こうしたマシンを机の上に置き、数人のメンバーで画面を見ながらマウス操作する、といった場合には本当に威力を発揮する。180度や90度ほどは使用頻度が高いと思えない45度単位での変換も、こうしたスレートタイプのパソコンを使う場合には非常に便利だ。
(天野 司)