いろいろな意味で異色で、よくも悪くも特徴のある、ユニーク極まる和風RPG。なかでも最も印象的でわかりやすいのは、独特な画風で描かれた、かなり癖のある登場人物たちのイラストだろう。ゲームの内容そのものも絵と非常にマッチしたものなので、この絵が気に入るかどうかで、作品の好き嫌いが大きく分かれてしまうように感じられる。
劇中の一枚絵はOFFになっており、作者のホームページでこれをONにするパッチが配布されているが、いきなり最初からパッチを当てることなく、まず最初に本作品との相性を判断してから当てることをお勧めしたい。
ゲームそのものは、システムが非常に工夫され、謎もいろいろと散りばめられており、昭和の和風伝奇推理小説のような雰囲気でおもしろい。戦闘で体力が落ちてくると、技や攻撃の威力が落ちてゆくのもリアルだ。最初に戦う敵がカブトムシやクワガタ、ナメクジなどなのは、まあご愛敬だろう。
全体に、最初違和感を感じていても、プレイすればするほど味が出てきて、どんどんよくなっていくという感じだ。ただ、世界観を含めて、どうしても大きく好き嫌いの分かれる作品だと思われるので、まずは自分との相性を見極めた上でのプレイをお勧めしたい。
(秋山 俊)