独特な雰囲気を持つ中編和風ミステリーRPG。素材合成をはじめ、独自のシステムやアイデアが満載。明治時代の閉鎖的な村を舞台に展開される、個性的な和風RPG
「ヒモロギ〜宇賀村異譚〜」は、明治時代の日本を舞台にした和風ミステリーRPG。舞台を日本にして、用語を和風にしただけでなく、独自のシステムやアイデアが盛り込まれた異色の作品となっている。長年続く儀式の日を前に、山奥の閉鎖的な村で次々と発生する異常事態の真相やいかに……。
時は明治21年。広島県の県境の山奥に位置する大神村(宇賀村)では、神奈備と呼ばれる、古より伝わる儀式を間近に迎えていた。村にとっては非常に重要な儀式で、山の神の依り代となる「ヒモロギ」に選ばれた者は、身を清め、俗世から遠ざかるため、しばらく土蔵の中に隔離されるという徹底ぶり。事件は、神奈備を一週間後に控えた日に起こった……。
物語の主人公は、古くから村を治める佐伯家の若き当主「佐伯 鼎」。去年はヒモロギを務めたが、今年はのんびりしており、村に逗留中のアメリカ人女性に英語を習ったり、彼女に村を案内したりしていた。
濃く、個性的なキャラクタが多数登場
ゲームには、非常に濃くて個性的なキャラクタが数多く登場し、特徴とも魅力ともなっている。
「佐伯 菊子」は、主人公の妹のゴスロリ少女。今年のヒモロギを務めるため、一人で土蔵の中に閉じ込められている。兄である主人公のことを強く慕っている。
「麻生 千」は、主人公より年上の氏族の娘。ギックリ腰になった父親の代わりに警官代行をしている。剣術が得意。
「岩子」は、村の外れに一人で住む、氏素性も不明な褌姿の少女。圧倒的な膂力の持ち主で、村人からは師匠と呼ばれている。主人公と千は、岩子から素手での戦い方の指導を受けている。
「アリス」は、お雇いで日本に来たアメリカ人女医。日本の伝承を集めていて、宇賀神社や儀のことにも強い関心を抱いている。主人公には英語を教えている。
「エバ」は、見世物小屋に売られていた異国の少女。いつも装飾品とボディペイントだけの、ほぼ全裸に近い姿をしている。
「咲矢」は、村にある宇賀神社の娘で、現在巫女の修行中。村のマドンナとして崇められている。
「佐助」は、神社で拾われた男の子。ちょっと獣のようなところがある。見習い忍者として修行中。
そのほかにも、主人公の父親の後妻で、義母にあたる「キヨ」や、友人の「肥田 光暉」など、登場するキャラクタは実に多彩だ。
素材合成を中心としたシステムなど、独自のシステムやアイデアが満載
ゲームの基本的な流れや操作方法などは、一般的なRPGとほぼ同じ。ただし、「ヒモロギ〜宇賀村異譚〜」では、アイテムを入手したり、お金を稼いだりするのに間接的な方法が取られ、大きな特徴になっている。
武器や回復アイテムなどは店などには売っておらず、直接購入することができない。入手するには、必要な素材を集めて合成スキルを持つ人物に渡し、素材合成で生成してもらう必要がある。
素材は、マップ上のキラキラ光る場所を探したり、敵との戦闘に勝利したりすることで、路上素材として無料で入手できる。お金があれば、それぞれの素材を販売している店で購入することも可能だ。
アイテムには、食べ物、武器、防具、装飾品などの種類がある。回復アイテムの「食べ物」は、主人公の家の中にいるおばあさんの一人に頼んで、料理合成してもらうことができる。武器や防具などは専門の職人に頼む必要がある。
お金は、話しかけたNPCが気にしていることや困っていることを依頼として受け、解決することで入手できる。依頼は、どのNPCからも発生する可能性があるが、確実に依頼してくれるキャラを見つけたいときは湯屋へ行くとよい。
そのほか、使用回数制限のある布団での回復や、神社での実績の交換など、ユニークなアイデアが随所に散りばめられている。