「フリーで、シンプルではあるのだけれど、本格的なペイントソフト」といった感じだろうか。「本格的」というのは、Windows標準の「ペイント」などと比べると、描画にあたっての考え方が違うということだ。例えば、楕円や矩形を輪郭だけ描こうとするとき、「ペイント」と「FireAlpaca」とでは描画の方法がまったく異なり、「FireAlpaca」では「ペイント」よりやや複雑な手順を踏むことになる。が、その手順を踏むために、「FireAlpaca」ではより高度で自由な処理が可能になる。手書きの文字を袋文字にするようなことが、楕円の輪郭を描画するのと同じ考え方、同じ操作でできるというわけだ。
「FireAlpaca」は、これまで「ペイント」タイプのアプリケーションしか触っていなかった人が、はじめて本格的なペイントソフトに触れるのに最適なソフトといえるかもしれない。ただ、現時点では文字ツールが搭載されていないのが非常に残念。おそらくそう遠くないうちに実装されることと思うが、その日ができるだけ早く来ることを願おう。
(土屋 佳彦)