登場人物やアイテムの管理、台詞の抽出・マーキングなど、小説の執筆をアシストする機能を備えた文書作成ソフト。「ArtOfWords」は、テキストの編集を行えるだけでなく、登場人物の設定やアイテムの設定なども記録できる、ユニークなテキストエディタ。画面レイアウトや文字列の編集に関する基本機能はテキストエディタに準ずるが、ファイル形式は独自のもの。「小説を書く」という一点にフォーカスが当てられている。
メイン画面は「執筆」「登場人物」「アイテム」「展開」の各タブ画面で構成される。「執筆」ではテキストの編集を、そのほかの画面では登場人物やアイテム、プロット(筋立て)などの管理を行う。
「執筆」画面では、テキスト編集はショートカットキーで操作する(文字列編集用のメニューやツールバーは用意されていない)。文書の新規作成やファイルを開く/保存するといったファイル関連用の機能や、「執筆」「会話」「シーン」の各モード切り替え用のボタン、検索用のボタンが用意されている。
「執筆」モードは、テキスト編集時に使用する基本モードのこと。
「会話」モードでは、「会話」ボタンをクリックすると、執筆画面上で台詞部分が色分け表示される。「会話」モード中は、画面上に登場人物を色分けしたボタンが表示され、文中の色分けと合わせて「誰の台詞か」がわかりやすい。
「文中で誰がしゃべっているか」を設定するには、画面上部のボタンで登場人物名の選択後、テキストの該当部分をクリックすればよい。基本的に、文中にカッコがある場合はカッコ内を、ない場合は1行を自動的に判別するため、クリックだけで登録できるようになっている。
「シーン」モードは、ストーリー上の重要な場面などにつけるブックマーク的な機能。マークした個所の一文字だけが色分け表示される。シーンをマーキングするには、「会話」のときと同様、画面に表示されたボタンから「シーン」を選び、テキスト上をクリックする。
登場人物やアイテム、場面を管理できることも大きな特徴。「会話」モードや「シーン」モード、さらには検索機能と連携することで、執筆作業をアシストする。
「登場人物」画面では、登場人物の名前やふりがな、性別、年齢、性格といった属性を記録できる。登録された登場人物は、「会話」モードでボタンとして表示される。
「アイテム」画面では、作中に登場する小道具や舞台設定などを登録することが可能。武器、防具、場所、組織などのカテゴリー設定と、自由に入力できるメモエリアとが用意されている。
「展開(場面管理)」画面には、ストーリー上の重要な場面を登録しておく。登録された場面は、「シーン」モードでボタンとして表示される。
こうして設定した登場人物、アイテム、場面は、独自の検索機能と組み合わせて、作品執筆中に設定を確認したり、以前書いた場面を振り返って、展開の整合性をチェックしたりするのに役立つ。
「キーワード(の検索)」は、テキストエディタにおける文字列の一括検索に相当する機能。マッチングした文字とそれに続く文章の一部がボタンとして一覧表示される。ボタンをクリックすると、編集画面の該当個所へジャンプする
「置換」は、一括置換と個別置換の両方に対応した文字列置換機能。個別に置換する場合は、一覧表示されたボタンから置換したいものをクリックする。
「会話」は、リストで選択した登場人物の会話部分だけを表示する機能。抽出結果はボタンとして表示され、クリックすると編集画面の該当個所へジャンプする。
「アイテム」は、文中に登場するアイテム名の抽出機能。アイテムは自動判別されるため、登場人物や場面のように、文中でマーキングしておく必要はない。ボタンをクリックすると、編集画面の該当箇所へジャンプする。
「展開」では、「展開(場面管理)」画面で登録しておいたシーンがボタンとして表示され、クリックすると編集画面の該当個所へジャンプする。
これらの機能により、過去のシーンや台詞を簡単に確認でき、ストーリー展開や描写に破綻のない、快適な執筆作業を支援する。