複数の文章を書くだけでなく、まとめて保存・管理できるソフト。その意味では、この「文庫番v3」の方が、Windows標準の「メモ帳」よりもメモ帳の名にふさわしいだろう(もっともNotepadというのは剥ぎ取り式のメモ用紙のことらしいから、Notepad.exeをメモ帳と呼ぶことにそもそも無理があるのかもしれないが)。このソフトと同じように、複数のメモをまとめて保存できるソフトはほかにもあるが、メモには文字数やメモ数などにある程度の制限がかけられているものが多いように思う。しかし「文庫番v3」では、ちょっとしたメモから長尺の文書まで幅広く扱うことができ、大きな武器になる。
さらに、このソフトではまとめて保存できるだけではなく、必要なときには即座に抜き出して見られるところも大きな特徴。三つのキーワード(分類)とラベルによって、文章の性格をかなり絞り込んで規定することができる。全文検索機能もあるので、ノート欄をうまく使うことで、より効率的な分類・抽出ができるだろう。公式サイトでも使い方の例として、バックアップやパスワード管理、ToDoなどの用途が挙げられているが、ユーザの工夫次第で、さらに多彩な使い方ができそうだ。
(土屋 佳彦)