クラウド技術を採用し、クライアント側での定義ファイルの更新を不要にしたウイルス対策ソフト。ユーザコミュニティの情報を利用して検出力を高めるとともに、リソース消費を低減し、動作の高速化を実現している。「Panda Cloud Antivirus」は、「ウイルス対策」「実行中プロセスの監視」「ワクチンソフト」の三つの機能を中心にしたクラウド型セキュリティ対策ソフト。“Collecitve Intelligence”と呼ばれるクラウド技術が採用され、ハイレベルなウイルス検出能力と、リソース消費を抑えた軽快な動作とを両立。ユーザコミュニティからフィードバックされた最新情報をもとに検出を行う“Collective Intelligence”の能力をフルに発揮させるにはインターネット接続が必要だが、オフラインの状態でもローカルキャッシュを利用して、高い防御能力を維持する。
メイン画面は、必要なボタン・情報だけが表示された、シンプルなデザイン。画面上部に「ウイルス対策」、下部には「ファイアウォール」「プロセス」「ワクチンソフト」の各ボタンがあり、パソコンの保護状態を知ることができる(ファイアウォールは、有償の「Pro」バージョンでのみ利用できる)。
「ウイルス対策」では、パソコンの保護レベルが三段階(青、黄、赤)で色分け表示され、さらにリアルタイムでのスキャン状況やスキャン結果を確認できる。ボタンをクリックすると画面が切り替わり、マニュアルスキャン(「すぐにスキャンします」)を実行したり、検出結果の詳細レポートを参照したりすることが可能。削除ファイルが隔離されたごみ箱にもアクセスできる。さらに「詳細設定」画面を呼び出すこともでき、
- 動作ブロックや振る舞い分析、圧縮ファイルのスキャンなどのON/OFF切り替え
- スキャン対象から除外するファイル/フォルダ、拡張子の指定
- レポートの表示方法の指定
などを行える。「プロセス」では、動作を検出したプログラム(プロセス)やインターネットへの接続数がわかる。ボタンをクリックすると、プロセスに関するレポートがリスト形式で表示される。リストではプロセス(実行ファイル)名のほか、検出した日時や最後にスキャンした日時、署名の有無、インターネットへの接続回数、安全性などを確認できる。
リスト上のプロセスを選択すると、個別のプロセスの安全性についてより詳しい情報が表示される仕組み。実行ファイルによっては使用できないように、ブロックすることもできる(いったんブロックしたものは、レポート上では復元できないが、「ウイルス対策」のごみ箱に保管されるため、そちらから元に戻せる)。さらに各プロセスに対して、インターネットへの接続を無効化するためのボタンや、接続先のURLを一覧表示するボタンなども用意されている。
「ワクチンソフト」は、CD/DVD、USBメモリなどのリムーバブルメディアの自動実行機能を無効にし、マルウェアの被害拡散を防ぐ機能。ボタン上には機能のON/OFF状態が表示される。初期状態はONで、自動実行機能を使用したい場合はOFFに切り替える必要がある。
そのほか、Webブラウザのアドオンとして組み込まれる「Panda Security Toolbar」もある。マルウェアを配布したり、脆弱性を利用したり、Drive-by download攻撃を行ったりするWebサイトをブロックするもので、IE、Firefox、Google Chrome、Safariなどのブラウザで動作する。