パソコンのインタフェースが進化し、さまざまなストレージが発達したおかげで、ストレージのバリエーションは格段に増えている。だが、そんな状況にありながら、Windowsにおけるストレージは昔ながらの制限に縛られ続けている。アルファベット1文字で示される「ドライブ名」という存在だ。わずか26文字しかないアルファベットを使っていることで、接続できるドライブの数は微妙に窮屈な制限を受けている。一部のストレージはドライブ名を使わずとも、フォルダに「マウント」して、ドライブ名を消費せずに接続することは不可能ではない。しかし、そうした接続方法をとったとしても、マウントされたフォルダツリー下に置けるファイルの容量は、当該ストレージの物理容量に縛られる。いつまで経っても、DOS時代から連綿と続く制限から逃れることができていない。
だが「VVAULT」なら、この古臭い制限を大幅に解消することが可能だ。「VVAULT」によって作られる仮想ドライブ自体はドライブレターをひとつ消費はするが、そのドライブは複数のストレージを組み合わせたものだ。しかも、Windowsの「マウント」機能とは異なり、個々の物理装置の容量制限を受けることもない。新たにストレージを追加すれば、追加した分だけドライブの容量は増えるし、「USBドライブとネットワークドライブを組み合わせる」といった、標準ではできない、異種同士のストレージの組み合わせだって可能だ。さまざまな使い方ができる、なかなかおもしろいソフトだ。
(天野 司)