間違って消去してしまったファイルも、復元ソフトを使えば復旧できる(場合がある)。逆にいえば、単に消去しただけでは、個人情報や企業秘密の保護には不十分だということ。そんなときに役立つのが、データを完全に抹消してくれる「Eraser」のようなソフトだ。データを抹消する場合、実際にはランダム(無作為で意味のない)データを繰り返し上書きすることで、その場所にあったデータを復元できないようにする。「Eraser」は、この処理方法が豊富な上、ファイルの抹消と空きスペースの抹消それぞれで、デフォルトで使用されるアルゴリズムを個別に選択できるようになっている。さらに個々のタスクでは、デフォルトのもの以外のアルゴリズムを選択できるという念の入った仕様。復元は相当困難だろう。
消去の実行タイミングとして、タスクごとに再起動時やスケジュール設定などのパターンを選べたり、ひとつのタスクで複数の対象をまとめて処理できたりするのも便利だ。
英語版ソフト(多言語対応になってはいるが、現状では英語しか選べないようだ)であることは、もともとの目的や機能が明快なので、それほどのハンデにはならないだろう。
インストール後はタスクトレイに常駐するので、いったんスケジュールを登録してしまえば、あとは起動し忘れることもなく、きちんと処理してくれるのもありがたい。
(福住 護)